
吉永南央 著
「糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ」
(文春文庫)
紅雲町のはずれにある小さな商店街。通称「ヤナギ」が大家の発案で改装されることになった。手掛けるのは新進気鋭の女性建築家だという。長年の客で、数日前に店の前で車に轢かれそうになったお草も改装話を見守っていたが、関係者それぞれの<秘密>と思惑が絡んで計画は空中分解寸前に―。大好評シリーズ、待望の第4弾!−裏表紙より−
今回もしっとりした雰囲気の中話は進んでいきました。ただ、いつもより不穏な空気もあって驚かされることも。悪人の出てこないシリーズだったのに、若干悪い人も登場。まあ彼も根っからの悪人では無かったわけですが。
人間関係が複雑で、誰が誰の子どもだっけ?とか、誰と誰が友人で、誰と誰が知り合い?というのがだんだんわからなくなって混乱することもありました。
そんなに登場人物が多いわけでは無かったのに・・。お草さん視点で描かれるから、人物の年齢もわかりにくかったです・・。
お草さんは相変わらず元気なご老人です。でも自分の年齢についてしっかり理解はできていて、無理はしませんし、年齢以上に諦めることもしません。
うまく休憩もとりながら、適度に動いて、新しい物にも挑戦して、本当に素敵なお年寄りです。
今回の商店街の改装についても、気づけば巻き込まれているのですが、どこで意見を言うべきか、黙っているべきかよく心得ているので、うまくアドバイスしながら手伝っていきます。
それぞれの思惑を全て理解していたのは実はお草さんだけだったのかも。若い人には出来ない関わり方で、うまく丸く収めた感じがしました。何ともできない問題はありましたが・・。
続きもあるようなので、楽しみに待つことにします。
<紅雲町珈琲屋こよみシリーズ>
「萩を揺らす雨」
「その日まで」
「名もなき花の」
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