
奥田英朗 著
「我が家の問題」
(集英社文庫)
夫は仕事ができないらしい。それを察知してしまっためぐみは、おいしい弁当を持たせて夫を励まそうと決意し―「ハズバンド」。新婚なのに、家に帰りたくなくなった。甲斐甲斐しく世話をしてくれる妻に感動していたはずが―「甘い生活?」。それぞれの家族に起こる、ささやかだけれど悩ましい「我が家の問題」。人間ドラマの名手が贈る、くすりと笑えて、ホロリと泣ける平成の家族小説。−裏表紙より−
「甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「夫とUFO」「里帰り」「妻とマラソン」の6編収録されています。
「家日和」に続く第2弾。家庭内のちょっとした問題を取り上げた短編集です。
どれも面白かったのですが、特に気に入ったのは「ハズバンド」と「夫とUFO」「里帰り」です。
「甘い生活?」の夫の悩みは何だか妙に刺さってしまって、周りに「贅沢な悩みだ」と言われている彼のことがかわいそうになってしまって読みにくかったです。女性目線では本当は逆なのでしょうが・・。
「ハズバンド」は、夫が会社で辛い思いをしているらしいと知った妻が、せめてお昼休みくらい安らぎをあげたいと考え、お弁当を作ることにした話です。そのお弁当は肩に力を入れず、さり気なく工夫を凝らして、見た目は普通でも味は美味しいように、毎日作るために頑張りすぎないように作られていて、こういうお弁当って最高に妻の愛情が入っている素敵な物だなと感動しました。この妻の心使いに気づいているかどうか怪しいですが、彼女もそれを望んでいるわけではないから良いのでしょうね。
「夫とUFO」は、夫が急に「UFOを見た。宇宙人と会話した」と言い出す話です。しばらくはこの話はどこへ向かうんだろう?と心配になるのですが、最後には感動させられました。妻が子どもたちに言った「これからおとうさんを救出してきます」宣言がかっこよすぎでした。
「里帰り」は、新婚の2人が初めてのお盆にお互いの実家に顔を出す話です。初めはどちらか行かなくても良いのでは?など悩む2人ですが、結局お互いの実家に強行スケジュールで帰ります。お互いの実家のことが気に入って、最後は丸く収まる感じが心地よかったです。
「絵里のエイプリル」だけは 結局どうなるんだろう?と気になる所で終わっていますが、他はすべてすっきりと収まり、爽快な気分にさせられる読後感でした。
シリーズはまだあるようなので、文庫化を待って読もうと思います。
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このシリーズ好きすぎて読みつくしちゃってつまんないです(笑)
どの本も面白いんですよねー。
UFOの話は私も好きでした。
弁当の話は自分のブログを読むとどうも真似したらしいのですが、どこをどう真似したのかさっぱり覚えてません(笑)
シリーズ、私はまだ未読があるので楽しみです!(笑)
弁当真似したんですね?確かにやりやすそうではありましたけど、弁当を作るという作業が面倒だと思う私には無理っぽいです・・。