
矢崎存美 著
「ぶたぶたの花束」
(徳間文庫)
最近、アイドルの玲美はストーカーにつきまとわれていた。そこで事務所の社長が連れてきたボディガードは、なんとバレーボールくらいの大きさをした動くピンク色のぶたのぬいぐるみ!? ライブも一緒についてきてくれるし、家で悩みとかも聞いてくれて、怖い思いが和らいできたとき・・。心が弱ったとき、山崎ぶたぶた(♂)と出会った人々に起こる奇蹟を描くハート・ウォーミング・ノベル。−裏表紙より−
久しぶりに徳間文庫のぶたぶたさん。何となく徳間文庫のぶたぶたさんは大人の雰囲気がします。コミカルな笑いというよりも、しっとりとした雰囲気が流れます。
その割にはイラストが多くて、大人(というかおばさん?)が電車で読んでいるとちょっと恥ずかしい感じですが・・。話の冒頭に入るのはともかく、途中にまでイラストを入れないでいただきたい・・。かわいいんですけどね。
「ボディガード」「ロージー」「いばら屋敷」「チョコレートの花束」「BLUE ROSE」の5編が収録されています。
「いばら屋敷」は何とも悲しい話で、読んでいていたたまれなくなる場面が多かったです。でも、ぶたぶたさんが寄り添っていてくれたお陰で救われた気がしました。最後は良かったと思える終わり方をしたので、読後感の良さはさすがです。
他の4編は、いつものぶたぶたさんらしくふんわりと優しい空気の流れる話ばかりでした。
基本は花屋さんなのですが、頼まれたら何でもやるといった感じの設定で、ボディガードをしたり、テディベアを作ったりしています。
でも全てに共通しているのは、ぶたぶたさんに関わった人たちはみんな癒されているということ。
ぶたぶたさんを通して相手の気持ちを理解したり、ぶたぶたさんのお陰で立ち直ったり、本当に彼はみんなを助けています。
今回はその姿だけではなく、声でもたくさん癒していました。どんな声なんでしょう?? 中年のおじさんの声ですからね〜。でも良い声なんだったら、う〜〜ん。私は、ちょっと渋くて優しい声なんだろうなと想像しながら読んでいますが、読む人によってそれぞれ考えが違うんでしょうね。
さて次は光文社から出版されるようで、どうやら居酒屋さんみたい。もうすぐ発売なので楽しみです。
<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」
「ドクターぶたぶた」
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