
二宮敦人 著
「なくし物をお探しの方は二番線へ」
(幻冬舎文庫)
蛍川鉄道の藤乃沢駅で働く若手駅員・夏目壮太は駅の名探偵”。ある晩、終電を見送った壮太のもとに、ホームレスのヒゲヨシが駆け込んできた。深夜密かに駅で交流していた電車運転士の自殺を止めてくれというのだが、その運転士を知る駅員は一人もいない―。小さな駅を舞台に、知らぬ者同士が出会い、心がつながる。あったか鉄道員ミステリ。−裏表紙より−
初めましての作家さんです。あらすじを見て面白そうだったので「本が好き」で献本申し込みしました。
来てみたらシリーズ2作目だとわかりびっくり。でも、2作目から読んでも何の問題もなく読み進めることができます。
しかもなかなか面白かった! 軽い文体なのに意外と重い内容も書かれていて、時々じんわりと泣かされながら、ちょっと微笑みながら読むことができました。気づけば終わっていた、という感じ。
連作短編になっていて、1話ずつが短かったのも読みやすくて良かったです。
夏目壮太という若手駅員が活躍する物語で、お客さんが持ち込むちょっとした謎をさらりと解決して見せます。始めの話は軽くて、でも「なるほど」と感心させられるような内容だったのですが、2話目以降はちょっと重めになります。
特にホームレスのヒゲヨシと貨物運転士の清水さんの話は泣きそうになりました。貨物運転士ってそうなんだ〜と知らなかったことも知ることができましたし、最後は2人の素敵な関係に読んでいてほっこりさせられて、お気に入りの話になりました。
最後の話は、若干納得できない部分もあったのですが、彼らの関係はともかく、今まで出てきた人たちがすべて丸く収まる感じは心地よかったです。
壮太は、どうやら新たな一歩を踏み出しそうなので、続きも楽しみな展開で終わりました。まさかこれで終わりではないと思いますが、続きが出たら読んでみたいです。
というか、その前に1作目を見つけて読むことにします。
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