2016年08月05日

浅田次郎「一路 上」

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 浅田次郎 著
 「一路 上」
 (中公文庫)


失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追いつめられる一路だったが、家伝の「行軍禄」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!−裏表紙より−


この作家さんは文章が堅苦しいイメージがあって、ちょっと敬遠していたのですが、家族から勧められたので読んでみました。


西美濃にある国から、参勤で江戸へ向かう道中の様子が描かれています。普通の参勤の行列でも大変なことなのに、この話では、小野寺一路という父親を亡くして跡目を継いだばかりの若干19歳の若者が仕切ることになるので更に大騒ぎ。

そのドタバタの様子が描かれています。一路の慌てぶりや、殿様のボケっぷりなどにニヤニヤさせられながら読んでいると、途中で意外と重い展開が待っていました。


一路の父親は、自宅で火事を出してしまい、焼死しました。この時代の失火は大罪で、本来ならお家取り潰しとなる所を、参勤交代の御供頭としてきちんと仕事をこなすことができたら御咎めなしにするということになります。

一路は剣も学問もできる期待の持てる男として登場するわけですが、まだ19歳で父親も若かったため、まだ跡目を継ぐとは思っていなかったため、父親から御供頭としての心得など一切聞かされていませんでした。

なのに父親の葬儀もままならない状態の中で、いきなり御供頭を命じられてしまいます。偶然見つけた家伝の「行軍禄」というのを見付けたため、それを頼りに古いしきたりに則ったやり方での参勤の行列を組むことにしました。


そして出てくる実は陰で別の画策がある・・という事実。誰が味方で誰が敵なのか、も一路にのしかかってきます。とにかく無事に、指定の日までに殿様を江戸へ! 苦難を乗り越えて前へ前へ進んでいく行列の様子には感動すらさせられました。


上巻ではまだまだ旅の途中。

一路の成長も楽しみですし、殿様が本当は名君なのか、やっぱりおバカ”なのか、陰謀は果たされるのか、などなど気になることがたくさんあるので、下巻も素早く読み進めたいと思います。


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タグ:浅田次郎
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