
藤崎翔 著
「こんにちは刑事ちゃん」
(中公文庫)
ベテラン刑事・羽田隆信は後輩の鈴木慎平と殺人事件の捜査中、犯人に撃たれ殉職した―はずだった。目がさめると、なんと鈴木家の赤ちゃんに生まれ変わっていた!?最高にカワイイ赤ちゃんの身体と、切れ味鋭いおっさんの推理力で、彼は周囲で巻き起こる難事件に挑む! 笑って泣ける衝撃のユーモア・ミステリー、誕生!−裏表紙より−
初めましての作家さんです。表紙の絵を見ると「笑わせてやろう!」感が出すぎていて、あまり好みのタイプではないのですが、ネットでの感想を読めば読むほど面白そうに思えて、ついつい買ってしまいました。
あらすじを読んでもわかる通り、禿げたおっさん刑事としてスタートした主人公が後輩刑事の家に誕生した赤ちゃんに生まれ変わってしまいます。
「見た目は子ども、頭脳は大人」というコナンを思い出してしまいますね。この話の場合は「見た目は赤ちゃん、頭脳はおっさん」なので、コナンよりも年齢差が大きいですが・・。
連作短編になっていて、「おっさんの章」から始まり、「ねんね」「寝返り」「はいはい」「あんよ」と続き、最後に「別れの章」があります。一つの章に一つの事件が起きます。
章の名前の通り、赤ちゃんが成長していく過程も描かれていて、中身がおっさんなだけに、身体能力に対する苦労がたくさんあって、その描写が笑えるんです。
でも周りからすれば(中身がおっさんなので)かなりやりやすい赤ちゃんではあります。かわいげがないかもしれませんが。
普通の赤ちゃんと違う・・と悩んでしまう母親のことを気遣って必死で普通の赤ちゃんのような反応しようとする処とか、笑える処がたくさんあります。
鋭い推理力を見せつつ、後輩を助けつつ、事件をスパッと解決していく部分は爽快ですし、なかなか面白い展開が続きます。
そして、最後の「お別れの章」では涙涙・・。別れが来ることはわかっていたのに、つい号泣してしまいました。でもどうやらまた彼は違うものに生まれ変わるようです!
それは第2弾として書く予定だとか。「作者がやる気を失わなければ」的な条件があるようですが、ぜひぜひ書いてもらいたいです。禿げたおっさんが、今度はふさふさモフモフの毛に悩む様子が読みたいです。
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私も最初は表紙の具合で「んーーー」と
思っていたのですが、読んでみると案外
面白くて。
スマホを自在にあやつる赤ちゃんって(笑)
犬になったらどうするんだろう??という
気はしますが読んでみたいですね。
面白かったですよね〜。紹介してもらってありがとうございました。
確かに犬になったらスマホは操作できませんね・・どうするんだろう?気になるのでますます読みたいです。