
大沼紀子 著
「真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者」
(ポプラ文庫)
真夜中に開店する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」に、手から白いハトを出す怪しげな中年男が現れる。それが店を揺るがす大騒動の幕開けだった。一方、母親と久しぶりの対面を果たした希実だったが、その隣にいたのは実に意外な人物で・・。人気シリーズ第5弾!!−裏表紙より−
このシリーズ、今までもそこまでページ数は少なくなかったのですが、今回はかなりぶ厚くて持ち歩くのが嫌で、地道に家で読み進めました。そのせいもあるのか、なかなか話に入り込めず。読み始めてから時間がかかりました・・。
前作も重かったと思うのですが、今回もかなり重い内容。当事者である希実は意外とクールな部分もあるのですが、周りがバタバタしすぎ。ある意味不器用な人たちで微笑ましいともいえるのですが、話の流れが悪くなっているのは彼らのせいでは?と思うと、イライラすることもありました。
過去に色々あった人が多いせいか、ずっと暗い記述が続き、こんな不幸がありました”私はこんなことで悩んで落ち込んでこうなりました”が多くて読みにくかったです。
もっと省けるところがあったのではないか?と思います。
今回は希実の出生の秘密が明らかにされる回で、父親が誰なのか、二転三転する展開でした。相変わらず軽いノリの母親にはついていけず。希実が何度も「母親はこういう人だから」と諦めるのがかわいそうでたまりませんでした。
しっかりしろよ!と揺さぶりたくなるような情けない母親。「意外と愛情があったようで良かった」という感想を書かれている方がおられましたが、私はそうは思えませんでした。希実のために、というよりあくまでも自分自身のために行動しているようにしか思えません。
たぶん、シリーズは後1作あるのでしょうが、今回で終わりでも良いのでは?と思えるような内容でした。これ以上何も起こらないことを願います・・。
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