2016年05月27日

今井絵美子「さくら舞う 立場茶屋おりき」

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 今井絵美子 著
 「さくら舞う 立場茶屋おりき」
 (ハルキ文庫)


品川宿門前町にある立場茶屋おりきは、庶民的な茶屋と評判の料理を供する洒脱で乙粋な旅籠を兼ねている。二代目おりきは情に厚く鉄火肌の美人女将だ。理由ありの女性客が事件に巻き込まれる「さくら舞う」、武家を捨てて二代目女将になったおりきの過去が語られる「侘助」など、品川宿の四季の移ろいの中で一途に生きる男と女の切なく熱い想いを、気品あるリリシズムで描く時代小説の傑作、遂に登場。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

今まで、時代小説といえば関西弁の物ばかり読んでいたのか、この作品の江戸言葉が妙に引っかかって、読みにくい部分もありました。前後の文章で何となく意味がわかるようになって気にならなくなってからは、どんどん話に引き込まれていきました。


立場茶屋というのが最後までどんな店なのか想像できなかったのですが・・。始めは喫茶店的なところかな?と思っていたのに、食事も出しているので、定食屋っぽい店を思い浮かべながら読みました。

おりき”という茶屋の女将・おりきが主人公の物語で、彼女は2代目の女将。とはいえ、先代の娘というわけではなく、どうやら拾われた様子。でも今では立派な女将として茶屋を経営しています。彼女の過去も少しずつ明らかにされていきました。

過去に色々な経験をしているだけあって、お客さんのちょっとした変化や異常にも気づいて、持ち前の情の厚さで親身になって解決していきます。

お客さんだけではなく、従業員の生活にも気を配っていて、ある病に倒れた女中がいると、家の世話までしてしまうくらい。

これだけ親身になってくれたら、みんなおりきを慕うようになり、店の人はもちろん、町の人たちにも慕われ、頼りにされています。


まだ時々過去を思い出して暗くなるところもあるおりきですが、今後はもっとキリッと凛々しい女将になっていくのでしょう。

シリーズはかなり続いているようです。続きも早めに読むことにします。


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タグ:今井絵美子
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