
富樫倫太郎 著
「SROepisode0警視庁広域捜査専任特別調査室 房子という女」
(中公文庫)
幼い頃から、誰よりも非常なことを平然とやってしまう近藤房子。小学校六年の時、唯一の理解者であった最愛の姉が自ら命を絶ってしまう。その理由を知った房子は、実の父に殺意の目を向けるのだった―。SROを翻弄し続けるあの最凶の殺人鬼が、驚愕の半生を語る。その過去はあまりにも衝撃的!−裏表紙より−
とうとう房子おばさんの半生が明かされる〜!!知りたいような、知りたくないような・・。読み始めたらぐいぐい引き込まれていく自分が怖かったです・・。
入院中の病室で、房子本人がSROのメンバーに語る、という形で話が進んでいきます。
やはりかわいそうな過去を持っていたわけですが、かわいそうとは思いますけどそこで人を殺しても良いってことにはなりませんし、殺して反省することもなく、いかにバレずにすませるか?ばかり考えているのは全く同情できません。
こういう性格の人が、どこかのネジが吹っ飛んでいる人が、シリアルキラーになるんですね。もはや「人」と認めたくないです。
ホント、何人殺したのか・・。考えたくもありません。
房子が殺すわけですから、当然普通の状態にはならず、かなりグロイ描写が何度も出てきます。読みながら顔をしかめることが何回あったか・・。しわが増えそうです!
場面をしっかり想像してしまうと読めなくなるので、出来るだけ映像を浮かべないようにしていました。そして、被害者の気持ちも絶対に考えないようにしないと無理です。被害者の恐怖は簡単には想像できませんけど「どれほど痛かっただろう、怖かっただろう」なんて考えると途中で止まってしまいそうです。
第一章は房子の半生が、第二章では夫である一郎と出会ってからの半生が語られています。一郎って、房子に操られていたんじゃなかったんだ、というのはかなり衝撃でした。房子よりもひどいタイプかもしれません。
一郎がいなければ、ここまで残虐なことにはならなかったかも・・。とはいえ、十分殺していますけど。
房子は変に頭が良いから、こんなに殺しても捕まらなかったんだということがよくわかりました。房子より頭の良い人たちが出てこないと逮捕どころか、事件さえ発覚せずに終わったかもしれません。
フィクションで良かった〜と本気で思ってしまうシリーズです。
しばらく殺人事件を扱う小説は読みたくない!
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