
朝井リョウ 著
「何者」
(新潮文庫)
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから―。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて・・。−裏表紙より−
初めましての作家さんです。ネットでの評判を見て読んでみようと思ったのですが・・。
ページ数も少ないですし、あっさり読み終わるだろうと思っていたら、意外と時間がかかってしまいました。出だしは引き込まれていったのですが、だんだんと付いていけない感じに。
主人公の拓人が、私に似た部分があって共感しつつ読んでいたのですが、読み進めるごとに「嫌な奴だな〜」と思えてしまって、どんどん自分を嫌いになっていくような気がして読みにくくなっていきました。
更に、就活についての記述が当然ながら多いのですが、よく考えたら私って就活なんてしたことがないんでした・・。なので気持ちがあまりわからず、どこか他人事になってしまって、入り込めませんでした。
更に更に、拓人は就活仲間と集まってアドバイスし合ったり、相談したりしているのですが、彼らが集まっている間もすぐに“つぶやく”のも理解できず。仲間といるときになぜ携帯を触るの??“いつのまにかつぶやいている”ってどういうこと?
とりあえず、ツイッターの存在意義が理解できていない私にはよくわからない内容でした。芸能人や有名人ならともかく、一般人が何をつぶやくの?大体、一般人がつぶやいたことを誰が読んで楽しむの?本当に理解できません。
私にも離れている友人なんかがいますが、彼女たちが今何してるのか?なんて興味ないです。悩みがあったら連絡してくるだろうと思いますし、どんな仕事をしているのかくらい知っていればそれで良いと思うのですが。
ましてや、毎日のように会う友人が何を考えているかなんて知りたくないし、本音でもないことをつぶやいているならもっと知りたくないです。私もこんな風にブログをやっているのですから、ツイッターと何が違うんだ?と言われると返す言葉はないんですけどね・・。
就活の大変さはわかった気がします。自分を良く見せるために嘘をついて、自分のことを嫌いになっていくのも想像できますし、自分って何者なんだろう?と不安になるのもわかります。就職試験に落ちるということは、人格を否定されること、と思い悩むのは仕方ないですね。
もっと簡単になればいいのですが、雇う側の気持ちを思うと簡単にも選べませんし。難しいです。
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