
柴田よしき 著
「夢より短い旅の果て 鉄道旅ミステリ1」
(角川文庫)
四十九院香澄は、大学入学と同時に「鉄道旅同好会」の扉を叩いた。根っからの鉄道好きが集まるこの会に入部して、三年前に起きたある事件の真相を探りたいという切実な動機があったのだ。こどもの国線、氷見線、飯田線―列車に揺られ、旅先で出会った人々と話し、土地の名物を味わううち、鉄道に興味のなかった彼女が、ゆっくりと変わりはじめる。読めば旅に出たくなる、叙情豊かな鉄道ミステリ第一弾。−裏表紙より―
香澄以上に鉄道に興味のない私。香澄と違って旅よりも自宅が好きな私に楽しめるのか心配ではありましたが、ミステリも絡んでいて面白く読めました。
何よりこの作家さんの文章は私に合うんですよね。さらさらと読めます。
香澄は鉄道旅同好会に入るために大学を選び、上京して一人暮らしを始めました。ただただ、ある人の行方を探すためだけに。
入会しても、正会員になるためには、同好会の人気ブログに魅力的な記事を載せなければ認めてもらえないことを知り、必死な思いで割り当てられた鉄道に乗りました。色々な人に助けられて、正会員になった香澄ですが、しばらくはどの列車に乗っていても探し人のことばかり考えてしまう状態でした。
でも旅先で出会って仲良くなった人や、謎の行動をする気になる乗客、同好会OBなどと共に旅をするうちに、どんどん列車の旅に魅力を感じていきます。
私も旅をするなら列車が良いと思うので、自分も列車に乗っている気分で、書いてある景色を想像しながら読み進めました。
列車旅が好きな人はもちろん、それほど興味のない人でも、読んだらきっと旅に出たくなります。色々な鉄道に乗って、乗客や景色をじっくり見てのんびりしたくなります。
なかなか時間は取れませんし、香澄のように一人で旅ができるほど根性もないですが・・。
最後まで読んで、一番気になったのは主人公の名字。どうしてこんな珍しい名字にしたのか?何か理由があるのかな??
第二弾も発売されたので、早めに買って読もうと思います。
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