原田マハ 著
「ジヴェルニーの食卓」
(集英社文庫)
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、政策を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。−裏表紙より−
「うつくしい墓」「エトワール」「タンギー爺さん」「ジヴェルニーの食卓」の4編収録されています。それぞれ、アンリ・マティス、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、クロード・モネの物語です。
西洋美術に疎い人でも名前くらいは聞いたことがあるであろう有名な画家たちですね。
4人の画家の人生を、彼らに深く関わった女性たちの視点で見た物語として描かれている話で、画家自身の視点で描かれていない分、よりリアルで客観的に感じられました。
どんな作品を描くのか、特にマティスは思い出せなかったので調べて、絵を見ながら読みました。絵を見ながらの方が、より深く話が理解できる気がしました。
特にドガの「エトワール」は印象的でした。彼と同じ時代に女性画家として、しかもアメリカ人だということで、美術界ではなかなか認められず苦労もした、メアリー・カサットの視点で描かれた物語なのですが、ドガの人生というよりも、ドガの作品に描かれたバレリーナたちの人生に驚かされてしまいました。
「エトワール」とは星のことで、「スター」を意味します。バレリーナとしてスターを目指すまだ幼い少女たちの人生は、読んでいて同じ女性として辛かったです。これを読んでから「エトワール」の絵を見ると、かなりゾッとさせられます。
表題作も印象的でした。「睡蓮」で有名なモネですが、彼が作り上げたジヴェルニーの庭をどれだけ愛し、どんな想いで絵を描き上げたのか、彼を支えた義理の娘・ブランシュの人生を含めて、ちょっと泣けてくる物語でした。
これだけ誰かを崇拝して、人生を賭して尽くせる相手がいるって幸せなことだろうとうらやましくもあり、自分の人生を後回しにすることはある意味悲しいことなのかもしれないとも思えて、複雑な心境になりました。
これらの話が、どこまで史実に基づいているのかはわかりませんが、ますます西洋絵画に、画家たちに興味をもちました。とにかく、美術館に絵を見に行きたくなります。
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