
富樫倫太郎 著
「SROY 警視庁広域捜査専任特別調査室 四重人格」
(中公文庫)
東京と秋田で、トリカブトによる毒殺事件が発生。手口に一貫性がなく、同一犯か複数犯か絞れず捜査は難航していた。その最中、耳や手首が切り取られた惨殺死体、銃殺死体が東京近郊で相次いで見つかる。すべての現場に残る同一人物の指紋から、SRO室長の山根新九郎はある仮説を立て犯人に迫っていく。 大人気警察小説、待望のシリーズ第六弾−裏表紙より−
約1年半ぶりのSRO。やっと新作が読める!とワクワクしながら読み進めました。やはり今回は房子おばさんは封印の巻。名前は何度も出てきますが本人は全く出てきません。
そして、久しぶりにメンバー全員が揃って、事件の捜査に当たります。でも相変わらず個性が生かされないというか、室長だけいればいいんじゃないの?という感じの展開。室長が推理したことを、他のメンバーが裏付けして真相に迫っていくことになります。
前半は本当にやられっ放し。とりあえず、読者は連続殺人が行われていることを知っているのに、警察関係者は誰も気づいていない状況が半分くらいまで続いています。やっともしかして連続殺人では??という考えを持ったSROが動き出しますが、その時点で何人死んでいるやら・・。
しかも本当にくだらない理由で。イライラする気持ちはわかりますが、殺さなくても・・というレベル。全く関わりのない人ですし、その場さえ離れてしまえば困ることもないのに、妙な正義感を発揮してしまう犯人。
この犯人は副題から何となく想像がつくように、とても変わった人です。不思議というか。自分の中でここまで会話されるとどんな気持ちになるんだろう?この人の主人格は誰なんだろう?色々考えながら読みました。
私には理解できない気持ちです。まあ、今までの犯人たちも全く理解できませんでしたが。
今回もエグイ描写が多くて、人も大量に死ぬわけですが、房子おばさんお陰でかなり免疫が出来たようで、あまり読みづらさはありませんでした。そんな風になっている自分にちょっと驚きました。良いのか?これで・・・。
今回も何となく解決したような、していないような微妙な終わり方をしたので、また彼も登場しそうな気はします。そして、次回はきっと房子おばさん登場!でしょうから、これも楽しみに(楽しみにしてしまっている自分にもショック)待つことにします。その前に、房子おばさんの本が文庫化されるようですが。
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シリーズ物のミステリーですか。
SRO室長の山根九郎が推理して、解決していくのですか。警察関係者が気がつかないうちに、殺人が次々と行われていくって、金田一耕介シリーズみたいですね。最後に事件を解決するみたいな。
エグイ描写も多いのですね。
房子おばさんて、切れ者なのですか?興味があります。シリーズ物って、次々読みたくなるんですよね。中学生の頃、推理小説ですが、エラリー・クイーンやアガサ・クリスティやコナン・ドイルのシリーズ物を読みました。
殺人の様子がかなりエグイです・・。房子おばさんは切れ者というか、精神的に狂っている殺人鬼なので、決して感心はできないのですが、SROを手玉に取る感じは鮮やかです。
エグイ描写が大丈夫であれば、読んでみてもいいかもしれません。