2015年09月04日

今野敏「ヘッドライン」

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 今野敏 著
 「ヘッドライン」
 (集英社文庫)


報道番組「ニュースイレブン」の記者、布施。素行の悪さに目をつけられながらも、独自の取材で多くのスクープをものにしてきた彼が興味を示した女子学生猟奇殺人事件は、警視庁捜査一課第二係、黒田の担当だった。警察も知らない事実を布施が握っているらしいと感づいた黒田は、彼に張り付くことを決める。記者と刑事、異色のタッグを組んだ二人は、やがて事件に潜む大きな闇の核心に迫って―。−裏表紙より−


1作目を読んだのは2009年なので、もう6年前になります。でも最近、ドラマになったのを見たので、雰囲気は思い出すことができました。


相変わらず飄々として会議にも出ないこともあるようないい加減に仕事をしているように見える布施。今回はそんな布施がテレビ局で過去のある事件を調べていました。他の記者が調べていても誰も興味をもたないでしょうが、布施の場合は周りが興味を持ち始めます。彼が調べ直すなら何か出てきたんだろう、となるわけです。

その事件とは女子学生が殺された事件。しかも遺体がバラバラにされて遺棄されるという猟奇的な事件です。迷宮入りになりそうなその事件を捜査しているのは捜査一課第二係。捜査員がどんどん減らされる中、黒田刑事は地道に資料を読み返して何か見落としていないか日々調べています。

そんなとき、布施が興味を持っているらしいと知ったため、刑事でありながら記者に張り付くことを決めます。かなり異例のことではありますが、布施のお陰で裏社会の重要人物とも顔を合わせることができ、事件は意外な展開を見せます。

事件が起きたとき、テレビや新聞では、こぞって報道したわけですが、被害者が女子学生でしかも猟奇的な事件だったので「被害者がかわいそう」という流れで終わってしまいました。その傾向を布施は間違っている!と訴えます。

「俺たちの仕事は、視聴者の耳や眼の代わりになることです」というのが彼の持論。

テレビでは殺人や誘拐、強盗など誰かがけがをしたり殺されたりする話になると、神妙な顔つきになり真面目に静かに報道しています。でも本当はどのニュースも淡々と事実だけを並べるべきなんですよね。

それを聞いて「ひどい!」とか「かわいそうに!」と思うのは視聴者なんです。先に「ひどい事件だ」と言われる必要はないんですよね。今まであまりそんなことを考えたことがなかったので、これを読んで考えるいいきっかけになりました。

視聴者もすぐに苦情を言って、報道に対して色々と注文をつけすぎているのも原因の一つだと思うので、見る側、受け取る側にも責任はあると思います。

難しいことですが。


話の展開的には、布施がスーパーマンすぎではありますが、深い内容でしたし、最後まで楽しめました。次も発売されているので、今度は早めに読みます。


<スクープシリーズ>
「スクープ」


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posted by DONA at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:今野敏
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