
矢崎存美 著
「学校のぶたぶた」
(光文社文庫)
中学教師になって五年の美佐子は、校内のスクールカウンセリング担当に任命される。新年度から新しいカウンセラーを迎えることになったのだが、現れたその人は、なんとぶたのぬいぐるみだった! その名は山崎ぶたぶた。彼が中庭でカウンセリングを始めると、生徒たちの強張った心が、ゆっくりと、ほぐれてゆく。ストレスもお悩みも、ぶたぶた先生にお任せあれ!−裏表紙より−
「誰にも知られず」「重い口」「弱い人」「好奇心」の4編からなる連作短編集です。
題名が「学校のぶたぶた」なので、学校の先生かと思ったら、カウンセラーでした。なるほど、適役かもしれません。彼になら何でも話せそうな気がします。ただまあ、我に帰ったら「私、何ぬいぐるみに悩みを打ち明けてるんだ!?」と別の意味で悩みそうですけどね・・。
今時の学校には、スクールカウンセラーっていう職業の人がいるんですね。手厚く保護されてちょっとうらやましい気もします。でもある意味、それだけ悩みも多くて、悩みに弱くて、ややこしい世の中になったということでもあって、嘆かわしくもありますね。
中学生の悩みは、なかなか面白いです。「重い口」や「弱い人」は、中学生なのに色々考えないといけなくて、大人の都合で振り回されて、本当にかわいそうでもらい泣きしそうになるような悩みでしたが、「好奇心」のようなクスッと笑ってしまうような悩み(?)もあって、同じ中学生でも色々だな、と楽しめました。
どんな悩みでも誰かに打ち明けられたらそれだけで、ラクになれることもありますし、悩んでいたことがうそのようにスッキリできることもあります。“カウンセリング”を受けるというのは、かなり勇気がいりますし、ハードルも高いですが、ぶたぶたさんならそのハードルも低くて良いです。
現実はここまでスムーズには解決しないのでしょうが、読んでいてこちらも元気になれる木がしました。
またカウンセリングのぶたぶたさんを読んでみたいです。
さ、次はどんな職業かな?楽しみです。
<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
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ぶたぶたシリーズ、学校のカウンセラーがぶたのぬいぐるみですか?面白そうですね。読んでみたいと思いました。人の相談にのるカウンセラーって、難しい仕事でしょうね。シリーズ物の本って、気に入ると、全作品を読みたくなるんですよね。
人の悩みを聞いてアドバイスするのは大変そうですよね。自分のことで精いっぱいです・・。
ぶたぶたシリーズは多いので、集めるのは大変ですが、面白いですよ。