
田牧大和 著
「緋色からくり 女錠前師謎とき帖<一>」
(新潮文庫)
姉と慕ったお志麻が何者かに惨殺されてから四年。「どんな錠前も開ける」と評判高い美貌の天才錠前師・お緋名は、愛猫の大福と暮らしていた。「用心棒になりたい」とある日突然、榎康三郎という侍が現れる。その直後、緋名は賊に襲撃されるが、康三郎は取り逃がしてしまう。奴らが血眼で探すものは? 康三郎は敵か味方か? そしてお志麻殺しの真相は―。謎とき帖シリーズ第一弾。−裏表紙より−
初めましての作家さんです。
いきなり不穏な空気で始まり、最後まで読めるのか心配になりましたが、それは回想シーンですぐに平穏な雰囲気に変わりました。
登場人物たちのキャラクターがわかるまでは、何だか妙に暗い雰囲気に感じられたのですが、殺されたお志麻の忘れ形見である孝助や夫の甚八の優しさ、人情深さ、かわいさにすっかり魅了されました。
何よりも気に入ったのは、緋名の愛猫・大福。孝助に拾われ、彼にかなりなついているのに、緋名の家で住むことを選んだという不思議な猫。とても賢くて、大福が気に入らない人間は嫌な奴とわかるくらいです。
連作短編形式になっていて、1話目は緋名がからくりの錠前を開けに行くという錠前師らしい仕事の話だったのですが、2話目以降は何だか妙な展開に。亡き志麻がなぜ殺害されたのか?が大きなテーマになっているので、それを解決していくことをメインにして、話が進んでいきます。そして、なぜか錠前師としての仕事がほとんど無い・・。
一応、仕事としてやってはいるのですが、緋名が錠前を開けに行った先で事件に巻き込まれる的な話を想像していたので、かなり違う展開になりました。まあ、最後は錠前師としての腕が必要になってくるのですが。
とりあえず、志麻の事件は最後に解決してしまうので、これで終了。・・かと思ったのですが、シリーズ化しているようで。
どういう話になるのか、私のお気に入りたちは登場するのか、気になるのでぜひ続きも読みたいと思います。
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