
今野敏 著
「晩夏」東京湾臨海署安積班
(講談社文庫)
台風一過の東京湾で、漂流中のクルーザーから他殺体が発見された。遺体が発見された船室には鍵が掛かっていて・・。東京湾臨海署・強行犯第一係の安積警部補らは、被害者の身元確認を始める。一方、第二係の相楽たちは、前日に開かれた新木場でのパーティーで発見された、変死体の事件を追っていた。どちらも捜査が滞る中、重要参考人として身柄を確保されたのは、安積の同期で親友の速水直樹警部補だった―。安積は速水の無罪を晴らすことができるのか!? 大ベストセラー安積班シリーズ、待望の文庫化。−裏表紙より−
1年半ぶりに文庫化されたシリーズ。やっと出たか〜!と大喜びで読み始め、勿体無いですが一気読み状態でした。
大体いつも、事件が起きて安積班が捜査を始め、安積には必ず妨害したがる上司や同僚が現れ・・というパターンなのですが、いくら読んでも飽きないんですよね。お気に入りのシリーズです。
あらすじにあるように、安積の同期でもある速水警部補が重要参考人として取り調べを受けることになるのですが、その事件の捜査をしていたのは、安積の班ではありませんでした。でも、速水が犯人であるはずがないと確信している安積は、自分の捜査をしながらも、気になって仕方がありません。
まあ、冷静に考えたら、彼が犯人だなんて変だと思う証拠ばかりだったわけですが、捜査一課が彼をかなり重要視したため、安積も怒りを爆発させてしまいます。
友のためなら、上司にも意見を言うぞ!という安積の姿勢はとてもかっこいいです。でも、後でウジウジと「言い過ぎたかな」なんて悩むところもあるのですが。そこがまた人間臭くて良いんですよね。
今回は、安積班のメンバーはほとんど脇役にまわり、活躍を見せてくれず寂しい状態でした。その代わりに、捜査一課から来た若手刑事が、安積と組んだことで面白い展開がありました。その刑事のお陰で速水のかっこよさもまた際立った感じです。
前作で、女性刑事が参加することになり、私は彼女の存在が不安だったのですが、今回その女性刑事もほとんど登場せず。やっぱりいらなかったんじゃないの?と疑ってしまいました。今回は、安積班たちも活躍する場面が少なかったので、次の作品で安積班が活躍したときに彼女がどう活躍するのかを見てから判断することにします。
次はどんな話かな?楽しみです!
<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
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