原田マハ 著
「風のマジム」
(講談社文庫)
伊波まじむは、通信会社琉球アイコムの派遣社員として働く二十八歳、自分が何をすべきか判らず漠然と日々を送っていた。彼女の運命を突然変えたのは社内ベンチャー募集の告知。まじむは郷土沖縄のさとうきびでラム酒を造るという事業を提案する。成功は無理と蔑む正社員。まじむの夢は果たして実現するか?−裏表紙より−
主人公は、伊波まじむという名前の女性。“まじむ”とは、真心という意味の沖縄弁だそうです。かわいい名前ですよね。ちょっと重たい気もしますけど、この名前に負けない精一杯がんばって生きている女性です。
28歳という年齢よりも若く感じていた彼女が、どんどん成長して、立派な社会人になっていく様子は読んでいて微笑ましかったですし、単純に「すごい!」と感心しました。
派遣社員として、何となく日々を過ごしていたまじむが、会社で行われたベンチャー募集を目に留めた所から物語は展開していきます。毎日、おばあとバーで飲んで帰っていた彼女は、おばあがラム酒を飲みながら「これは、風の育てたお酒だ」と言ったことをヒントに、沖縄で採れるサトウキビを使ったラム酒を作りたい!と考えるようになります。
それを企業としてできないか?と思い、リサーチを重ねて、ベンチャー募集に応募します。
もちろん、お酒を造るというのは簡単に出来ることではなく、材料をそろえることはもちろん、場所の確保、お酒を造る許可をとることや、造ってくれる醸造家を探すことも必要でした。
たくさんの問題を前に、まじむがどうやって成功させていくのか?
まじむは、周りの人たちにかなり助けられていく、ラッキーな女性です。それは、彼女の人柄とラム酒に対する情熱のお陰ではあるのですが、次々現れる問題を一つ一つ乗り越えていく彼女の姿には勇気づけられましたし、応援したくなりました。
ラム酒は個人的にも好きなお酒です。これを読みながらラム酒を飲めたらどんなに良かったかと思いました。また、あとがきにこの話が実在の人物をモデルに書かれた物だと書いてあり、美味しそうなラム酒(「コルコル」というそうです)も紹介してありました。沖縄のさとうきびで出来た風のお酒・ラム酒。ぜひ飲んでみたいです。
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