
仲町六絵 著
「からくさ図書館来客簿 第二集〜冥官・小野篁と陽春の道なしたち〜」
(メディアワークス文庫)
京都の一角にある「からくさ図書館」は、優しげな館長さんと可憐な少女が二人きりで切り盛りする、アットホームな佇まいの私立図書館。 奇妙な“道なし”と出会ったお客様が訪れる図書館で、解決法を記した不思議な書物を紐解く図書館長・小野篁こそは、彼らを救う“冥官”だった。 季節は春。篁たちのもとに、上官である安倍晴明が訪れる。彼が新米冥官の少女・時子に伝える使命とは―。 悠久の古都で綴られる、ほろ苦くも温かいライブラリ・ファンタジー、第二集。−裏表紙より−
「リボンと人力車」「小猿の宝物」「瑞垣」「鳥めずる若君」の5編収録。
どの話に出てくる人も“道なし”に憑りつかれても、特に大慌てするわけでもなく、意外とあっさり状況を受け入れていたような気がします。みんな良い人でしたし。
霊感が強い人も出てきて、彼女の話が一番印象に残りました。霊などを見たことのない私にはわからない感覚ですが、やはり他の人と同じように何も見ず、関わらず、生きていきたいと思うものなんでしょうね。
彼女の選んだ道は寂しい気もしますが、何となくわかる気はします。ちょっと切ない話でした。
今回も篁は、5人の“道なし”を霊界に案内したわけですが、前作と違って“道なし”が中心ではなく、時子や篁の過去のことなども描かれていて、彼らの人生が少し垣間見えました。
とはいえ、まだまだ秘密も多そうですけど。
特に時子には色々ありそう。彼女はどうやら前世(?)記憶が抜けているようで、これから面白いことを思い出していきそうですし、新たな力も手に入れて発揮できる予感もします。
時子に関わりのある、ちょっとクセのある女性も登場し、賑やかになってきました。
この作品は、どうなったら終わりになるのかという決まりも無いですし、次々新しい話が書けそうです。過去に行ったり現在に戻ったり、人間関係も複雑な所があって、間を空けるとわかりにくくなる作品なので、次は早めに読みたいです。
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