
ジョアン・フルーク 著
上條ひろみ 訳
「シナモンロールは追跡する」お菓子探偵ハンナシリーズ15
(ヴィレッジブックス)
4月、<レイク・エデン・イン>のジャズフェスティバル前日、ハンナと末妹ミシェルはお菓子を届ける途中で玉突き事故に遭遇。人気バンドのツアーバスも巻きこまれ、運転手が死亡、メンバーの一人は搬送先の病院で何者かに殺害されてしまう。姉妹は犯人探しを開始するが、ハンナにはもう一つ、結婚式間近のノーマンの婚約者ベヴについてどうにも気になることが。こちらもこっそり調べはじめるが・・・。−裏表紙より−
あらすじ冒頭に“4月”と書いてあるのに、かなり雪深い描写がいっぱいありました。いきなり起きる事故も、路面の凍結が原因で、ハンナとミシェルは雪をかき分けて救出に向かいます。
そこで運転手の遺体を発見するのですが、彼の死の調査をするのかと思ったらそうではなく、搬送されて軽症だったはずのバンドのメンバーが殺害されてしまい、その事件の調査をすることになります。
いつもは事件に巻き込まれるハンナを注意している母親が今回は一番に調査を始めようとします。もちろん、噂話に強い彼女は良い探偵ぶりを発揮します。
いつものように、2番目の妹・アンドレアや末妹・ミシェルも大活躍。特にミシェルは、ハンナの家に居候していて、夜中に料理をしたり、早朝にコーヒーを淹れたり、姉を献身的に支えてくれています。
彼女の活躍はうれしいのですが、あまり活躍してしまうと、ハンナが霞んでしまいそう・・。
事件以外に気になることといえば、ノーマンの件。前作の終わりに爆弾を落としたノーマン。それ以来元気も無かったようです。ハンナと話すと彼女が焼きもちをやくので、ハンナともろくに話すことができませんし、ハンナが預かっている飼い猫にも会えません。
ハンナも寂しい毎日を過ごしています。そんな彼女の様子を見て、家族が立ち上がります。ノーマンの婚約者について調べることになり、婚約者の実態が少しずつ明らかになっていくにつれ、ますますハンナを応援したくなりました。
最後には落ち着くところに落ち着いた感じになり、やっと穏やかないつもの雰囲気に戻れそうで安心しました。ただ、結局ハンナはマークとノーマン、どちらを選ぶのか?という問題は続くんですけどね。
また1年後に読むのが楽しみです。
<お菓子探偵ハンナシリーズ>
「チョコチップクッキーは見ていた」
「ストロベリーショートケーキが泣いている」
「ブルーベリー-マフィンは復讐する」
「レモンメレンゲ・パイが隠している」
「ファッジ・カップケーキは怒っている」
「シュガークッキーが凍えている」
「ピーチ・コブラーは嘘をつく」
「チェリー・チーズケーキが演じている」
「キーライム・パイはため息をつく」
「キャロットケーキがだましている」
「シュークリームは覗いている」
「プラムプディングが慌てている」
「アップルターンオーバーは忘れない」
「デビルズ・フードケーキが真似している」
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