
坂木司 著
「夜の光」
(新潮文庫)
約束は交わさない。別れは引きずらない。大事なのは、自分に課せられた任務を遂行すること。正体を隠しながら送る生活の中、出会う特別な仲間たち。天文部での活動を隠れ蓑に、今日も彼らは夜を駆ける。ゆるい部活、ぬるい顧問、クールな関係。ただ、手に持ったコーヒーだけが熱く、濃い。未来というミッションを胸に、戦場で戦うスパイたちの活躍を描く。オフビートな青春小説。−裏表紙より−
高校の天文部に所属する4人の学生たちの物語です。それぞれを視点にした物語が4話描かれていて、本人からの視点と周りからの視点の両方が読めて、人物像も掴みやすかったです。
高校生とはいっても、とても個性的な4人。実は、個性的ではなく自分に正直な人たちなのかもしれませんが。ちょっとひねくれているといってもいいくらいですが、本人たちは色々考えてしっかりと自立した人生を歩もうとしていて、もう少し子どものままでいさせてあげたいような気持ちにもなりました。
4人は自分自身をスパイだと思って生活しています。そのため、名前ではなくコードネームで呼び合っていました。ブッチ(部長だから)、ギィ(ギャルだから)、ゲージ(芸術家のようだから)、ジョー(一見お嬢さまに見えるから)という4人。
高校にはきちんと通っているわけですから、特に家庭環境が悪いわけではないのですが、色々と悩みはあって、自分の思う道を歩ませてもらえない子どもが多く、それを甘んじて受け入れることなく自分なりに考えて自立していこう!とがんばっています。
そんな彼らが遭遇する日常のちょっとした謎や悩みを解き明かしていきながら、話は展開していきます。そして、最後の話では卒業した4人がどんな人生を歩み始めたのかが少し描かれています。
思った道をまっすぐに進めている子ばかりではありませんが、将来が楽しみな終わり方でした。4人が幸せな人生を歩んでくれることを祈りながら読み終えました。
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天文部の4人の高校生が、自分のことをスパイと思って、日々を戦場と思って、戦っていくって、
面白そうな小説ですね。
自立した人生を歩もうとしているのですね。
学校だろうと、職場だろうと、家庭だろうと、考えようによっては、戦場であり、人は皆、戦場で戦う、戦士であり、スパイなのかもしれませんね。未来へのミッションは何か、人によって、違うでしょうね。
面白かったですよ。肩に力が入りすぎな部分が多い子たちですが、天文部のお陰で少しガス抜きもできていた感じです。青春小説かな?でも大人が読んでも楽しめます。