
伊岡瞬 著
「もしも俺たちが天使なら」
(幻冬舎)
偶然出会った3人の前に、「変な男に実家が乗っ取られそう」と捷の妹が現れたのが、すべての始まりだった―。この闘いは、大金のためか、友情のためか―。“詐欺師”+“ヒモ”+“元刑事”=“正義の味方”!?野良犬みたいなイケメン小悪党トリオが、人助けのために凶悪組織に立ち向かう。最注目のミステリー作家の痛快クライムノベル。 「BOOK」データベースより
初めましての作家さんです。
面白そうだったのと、表紙の感じからして自分でレジに持って行くことはないだろうと思い、「本が好き!」で献本申し込みしました。
詐欺師・谷川、ヒモ・松岡、元刑事・染井の3人が出会い、松岡の実家に現れた謎の男性について調べていく物語です。詐欺師とヒモと元刑事、かなり変な組み合わせですよね。でも何となく世間からズレている雰囲気は似ているのかもしれません(大体、ヒモって何だ!)
詐欺師の谷川は、職業柄(?)頭の回転が速く、体力よりも頭脳を使って物事を冷静に見つめて解決していこうとします。ちょっと情に厚いというか、人が良い所があって、何だか憎めないタイプでした。
元凶となった松岡は、あるお金持ちの奥さんの愛人として、彼女の家に入り浸っているわけですが、喧嘩には自信があり、頭で考えるよりも力ずくで解決させようとします。彼は、色々考えているようで考え切れていませんし、周りの人たちの本質を見抜く能力も低いので、読んでいてイライラさせられました。
元刑事の染井は、最後まで読んでもあまり人物像がつかめませんでした、一昔前の職人気質な刑事かと思ったら、意外といざとなったら力ずくで、と考えるタイプでもあり、周りを冷静に見ているようで、意外と見えていないことも多く、騙されやすいタイプでもありました。
そんな個性的な3人が、それぞれの考えを基に事件を解決しようと動くので、どうなるのか先が気になる展開が続きました。最後にどうなるのか?は何となく想像できるのですが、そこまでどうやってたどり着いていくのかが楽しみでした。
谷川が考えて行動し、解決していくわけですが、最後に彼がやった解決法が意外と難しくて、理解できるまで時間がかかってしまいました。完全に理解できていないかも。
かなり凶悪な敵だと植えつけられて読み進めてきた割に、あっさりと引き下がってしまう展開はちょっと残念でした。でも、こういう決着にするしかなかったのかもしれない、とも思います。
ネットで感想を読んでいたら、この作家さんにしては珍しい作風だったようです。いつもはどんな話を書かれるのか、興味をもちました。
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