
アラン・ブラッドリー 著
古賀弥生 訳
「パイは小さな秘密を運ぶ」少女探偵フレーヴィア・シリーズ
(創元推理文庫)
11歳のあたしは、イギリスの片田舎で、化学実験に熱中する日々をすごしてる。ある日、何者かがコシギの死体をキッチンの戸口に置いていき、父が尋常ではない恐れを見せた。そして翌日の早朝、あたしは畑で赤毛の男の死に立ち会ってしまう。男は前日の晩に、父と書斎で口論していた相手だった……。活溌な少女の活躍を温かくのびやかな筆致で描く、CWAデビュー・ダガー受賞作。
初めましての作家さんです。ネットで感想を読んで面白そうだったので楽しみにしていました。
イギリスの田舎を舞台に巻き起こる殺人事件。それを解決しようと立ち上がるのは、11歳の少女! フレーヴィアという名前の天才少女の視点で話は進んで行きます。
彼女は、何よりも化学が大好きで、何でも科学的に物事を考えようとしています。特に毒薬関係は大好きなので、気に入らないことを言ってくる姉にもこっそり毒薬を仕込みます。・・とはいえ、殺そうとしているわけではありません。口紅に混ぜて、唇を腫れさせてやろう!というまだまだかわいらしい(かどうかは微妙ですが)ことを考えているのです。年頃の娘にとっては、唇が腫れるだけでも大事ですけどね・・。
フレーヴィアが死体の第一発見者となってしまい、父親に容疑がかかったので「自分が解決しなければ!」と力が入った彼女は、色々な仮説を立てては、自らの足で聞き込みをして、また別の仮説を立てて・・と大活躍します。
ただ、やはりまだ子どものすることなので、読んでいてハラハラさせられることも多いです。どこに犯人がひそんでいるかわからないのに、自分の推理だけを頼りに突き進んでいく彼女の様子は心配させられました。
まあ、あまり鮮やかに解決!というわけにはいきませんが、彼女のがんばりによって解決したといっても良いかも知れません。
色々細かく書かれているようで、意外と人物像がつかめない人も多かったので、続きも読んでいきたいと思います。
最後に訳者による解説を読んでびっくりしました。この作家さんはなんとデビューが70歳だったそうで、そんな年齢の人が少女探偵を主人公にするなんてすごいですよね。
また、イギリスが舞台なのに、カナダの人だとか。イギリスには行ったことが無いそうです。色々驚かされる作品でした。
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