
近藤史恵 著
「サヴァイヴ」
(新潮文庫)
団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは──(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至の全六編。−裏表紙より−
サクリファイスシリーズの第3弾なのですが、続編というわけではなく、過去の話も含まれています。
白石選手も出てきますが、出てこない話もあり、でもシリーズを始めから読んでいる人には懐かしい名前が次々出てきて、うれしくなると思います。
石尾と赤城の関係がどうやって出来上がって、どんな関係性にあったのか、知りたいことが色々描いてありました。これを読んだら、またシリーズの始めに戻りたくなってしまいます。
で、サヴァイヴまで読んだらまた戻りたくなるんだろうな・・。
すっかりロードレースにはまっています。
1人ずつの競技に見えるのに、実はチーム戦だという不思議なスポーツ。しかも、ここまで自己犠牲の精神が強い競技はなかなか無いと思います。
アシストする選手がいることがすごいですし、そのアシストという仕事をする選手は、やはりそれなりにもやもやした気持ちを抱えながらも、結局はチームのため、エースのために自分を投げ出す。
エースは、周りの助けがあって初めてエースとして成績が残せるわけですから、華々しい姿の裏にはプレッシャーが重くのしかかっていることでしょう。ドーピング事件が起きるのはわかる気がします。もちろん、薬に頼って勝っても何にもならないのですが。
色んな事情を抱えながら走っている彼らの姿、ぜひいつか見てみたいものです。
日本人が好きそうなスポーツなのに、なぜ人気が無いんでしょうね。
シリーズは後1作あるようです。まだまだいくらでも話が書けそうなので、ぜひ書いてもらいたいです。
<サクリファイスシリーズ>
「サクリファイス」
「エデン」
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