
宇野碧 著
「レペゼン母」
(講談社文庫)※電子書籍
和歌山県の山間の町に住む深見明子。穏やかに暮らす明子の唯一の気がかりは、女手一つで育て上げた息子の雄大のこと。二度の離婚に借金まみれ、あげく妻を置いて家を飛び出すダメ息子に。いったい、私の何がいけなかったのか。そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」明子はマイクを握り立ち上がる―!読むと母親に会いたくなること間違いなし!笑えて泣けてグッとくる、前代未聞のデビュー作!−出版社HPより−
初めましての作家さんです。
題名を見ても絵を見てもどんな話なのかさっぱりわからず。でもネットでの感想を読んで面白そうだったので読んでみました。
「レペゼン」というのは「〜を代表する、象徴する」という意味だそうです。ヒップホップ用語です。詳しい人なら当然知っている言葉なのかもしれません。英語にもヒップホップにも疎い私は知りませんでした。
つまり「母代表」ってことですね。
確かにそんな内容の物語でした。
和歌山で梅農家を経営している明子は、夫を亡くし、唯一の肉親である息子は家を飛び出して音信不通という状態でした。でも孤独というわけではなく、農家の手伝いとしてアルバイトを何人も使って賑やかな毎日を送っています。
家には息子の妻・沙羅が一緒に住んでいます。嫁姑って不穏な感じですが、この2人はうまくやっているようです。
そんな彼女の影響もありラップバトルに出場することになる明子。
そして、連絡が無かった息子から連絡があったり、ラップバトルをしたり、色々とハプニングが起きていきます。
ラップの場面が多々出てくるのですが、ラップについて全く知識が無いので、字面を読んでいるだけであまり理解できていないのが残念でした。もっと詳しければ頭の中でビートが鳴ったりするのかな?と。そうすればもっと楽しそうです。
字面で読んでもイマイチ頭に入ってこないし響かない感じがしました。
これは実写で見たい気がします。明子くらいの年齢でラップが出来る女優さんいるかな?? それが心配ではありますが。
全体的に面白かったのですが、話の流れがやたらと前後するのが読みにくく感じました。沙羅は明子にとってどんな関係なのか?もなかなか説明されませんし、なぜ息子は音信不通になったのか?もなかなか明かされません。
頭に「?」が浮かんだまま読んでいると、急に説明される感じ。なるほど・・と納得していたらまた新たな疑問が出てくるのにそれは放置される。もっとスムーズに書いてもらえたら読みやすかったかもしれません。そうなると説明文が長々続いて退屈してしまうのか?
ラップバトルで、今まで不仲だった親子がうまくいく、なんてことがあるのか疑問ではありますが、この話だとそうでないと納得できないかもしれません。
それにしても、子育てって本当に大変です。自分の言動で子どもの人生が大きく左右されることもあるわけで、せめて「そんなこと言わないで」と言えるような関係になっていれば良いのでしょうが難しそうです。
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