
原田ひ香 著
「ランチ酒」
(祥伝社文庫)※電子書籍
犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール・・今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!心を癒し、胃袋を刺激する絶品小説。−出版社HPより−
この作家さんは面白い職業にスポットを当てますね。
「見守り屋」という職業が実際にあるのかはわかりませんが、あってもおかしくなさそうです。というか、今の時代には必要な職業ともいえるかも。
ベビーシッターだと、子どものみ対象ですけど、「見守り屋」だと子どもはもちろん、大人もお年寄りもオッケーですし、大人も障害があってもなくても大丈夫ですから、色んなニーズがありそうです。
ただ「介護士」でも「ヘルパー」でもないので、お年寄りでもお世話をすることは出来ません。
とにかく夜から朝まで「見守る」のが仕事。
ベビーシッター的に子どもが寝ているのを見守るのもありますし、ペットを見守るのもあり、大人が眠れるように見守るというのもありました。
ただ「見守る」と言っても色々あって、結構相手の人生に踏み込む感じがして、簡単には出来ない仕事だと思いました。時間が昼夜逆転するのはもちろん大変でしょうが、何よりも悩みを聞いたり、その人の事情を思ってこちらが悩んでしまったり、結構疲れそうです。
そんな疲れを癒す意味もあって、仕事終わりの昼間からランチ酒を楽しむわけです。
昼間からお酒なんて飲んで!と言われる筋合いはないわけで、ちょっと遠慮しつつもがっつりとランチのついでにお酒も飲んでいます。
私もお酒は飲みますが、全く詳しくは無いので、作中に出てくるお酒のほとんどは知りませんでした。でも、美味しそうなランチにまずお腹がすき、それに合わせて頼むお酒も何だか美味しそうでたまりませんでした。
お酒を飲みながら、お客さんのことを思い返すわけですが、その部分はサラッと読んでしまい、ランチとお酒の部分はじっくり読んでしまいました。とにかくお腹がすきます!
主人公・祥子は離婚して娘を元旦那に預けてしまっています。いつかは娘と暮らしたいという目標を持っていて、色々と努力中です。まあその辺りも私的にはあまり興味が無く。
でも読み終わって「面白かったな」と思えたのは、とにかく美味しそうなランチとお酒の描写でしょう。
この作品はシリーズ化しているようです。続きも早めに読むことにします。
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