
瀬那和章 著
「後宮の百花輪(1)」
(双葉文庫)※電子書籍
百花輪の儀。それは華信国の五つの領地よりそれぞれの代表となる貴妃を後宮に迎え、もっとも皇帝の寵愛を受けた一人が次期皇后に選ばれる一大儀式だ。後宮に憧れる武術家の娘・明羽は、道具の声が聞こえる不思議な力と拳法を駆使し、北狼州代表の來梨姫の侍女として後宮で働き始める。美貌や知略、財力を賭した貴妃五人の戦いで、明羽は引き籠り気味の「負け皇妃」來梨を皇后の座につかせることができるのか!?心躍る絢爛豪華な中華後宮譚、開幕!−出版社HPより−
初めましての作家さんです。
ネットでの感想を読んで面白そうだったので読んでみました。
こういう中華系のファンタジーって人の名前が覚えられなくて困ります。適当に読んでいるので、何人も違う名前で認識していると思われます。主役の明羽さえもなんて読むんだっけ?って感じです。
でもまあ問題なく読めますけど。
明羽は武術家の娘として生まれ、武術を仕込まれながら育ちました。父親が亡くなった時、兄が家を継ぎ、兄嫁からいじめられた明羽は、憧れていた後宮の侍女を募集していると知り、試験を受けに行きます。
彼女は物の声が聞こえるという特殊能力を持っているため、その道具に助けられながら試験をクリアして見事に合格します。
侍女として様々なことを学びながら、主である來梨に仕えて生活していくことに。
後宮というのは日本でいう所の大奥のような場所です。大奥は将軍のお眼鏡にかなった女性たちがお互いにけん制し合いながら、将軍の寵愛を受けるべく生活している場所ですが、後宮も同じで、皇帝の寵愛を受けるために張り合う場所です。
侍女同士ももちろんライバル心が満載で、お互いに自分の主を貴妃にするべく足を引っ張り合います。なかなかドロドロしている話でした。
しかもこの後宮に住むことになっている候補たち5人は、それぞれ自分の故郷を背負って来ているというかなり真剣な女性ばかり。自分の国を豊かにするためには貴妃になるしかないと意気込んでいる人たちの中で、明羽が使えている來梨だけは初恋の人に再会したいから、なんて緩い理由なので、気合が足りません。
貴妃になれなかった女性がどういう末路を辿るのか、その侍女の行く末なんて更に悲惨なもので、みんな自分の主を必死で助けるのは理解できます。
明羽が使える來梨は他の女性たちよりもかなり遅れをとっているので、先行き不安しかありません・・。
こんな感じでただドロドロした人間模様だけを描かれたら読み切れなかったと思いますが、事件が起きてそれを調査して解決するというミステリ仕立てになっているので読みやすかったです。
きっとファンタジー好きよりもミステリ好きな人の方が楽しめると思います。
この先どうなっていくのか、色々と気になる部分があるので、続きも読んでいきます。
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