2024年02月27日

瀬那和章「後宮の百花輪(1)」

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 瀬那和章 著
 「後宮の百花輪(1)」
 (双葉文庫)※電子書籍


百花輪の儀。それは華信国の五つの領地よりそれぞれの代表となる貴妃を後宮に迎え、もっとも皇帝の寵愛を受けた一人が次期皇后に選ばれる一大儀式だ。後宮に憧れる武術家の娘・明羽は、道具の声が聞こえる不思議な力と拳法を駆使し、北狼州代表の來梨姫の侍女として後宮で働き始める。美貌や知略、財力を賭した貴妃五人の戦いで、明羽は引き籠り気味の「負け皇妃」來梨を皇后の座につかせることができるのか!?心躍る絢爛豪華な中華後宮譚、開幕!−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

ネットでの感想を読んで面白そうだったので読んでみました。

こういう中華系のファンタジーって人の名前が覚えられなくて困ります。適当に読んでいるので、何人も違う名前で認識していると思われます。主役の明羽さえもなんて読むんだっけ?って感じです。

でもまあ問題なく読めますけど。


明羽は武術家の娘として生まれ、武術を仕込まれながら育ちました。父親が亡くなった時、兄が家を継ぎ、兄嫁からいじめられた明羽は、憧れていた後宮の侍女を募集していると知り、試験を受けに行きます。

彼女は物の声が聞こえるという特殊能力を持っているため、その道具に助けられながら試験をクリアして見事に合格します。

侍女として様々なことを学びながら、主である來梨に仕えて生活していくことに。


後宮というのは日本でいう所の大奥のような場所です。大奥は将軍のお眼鏡にかなった女性たちがお互いにけん制し合いながら、将軍の寵愛を受けるべく生活している場所ですが、後宮も同じで、皇帝の寵愛を受けるために張り合う場所です。

侍女同士ももちろんライバル心が満載で、お互いに自分の主を貴妃にするべく足を引っ張り合います。なかなかドロドロしている話でした。
しかもこの後宮に住むことになっている候補たち5人は、それぞれ自分の故郷を背負って来ているというかなり真剣な女性ばかり。自分の国を豊かにするためには貴妃になるしかないと意気込んでいる人たちの中で、明羽が使えている來梨だけは初恋の人に再会したいから、なんて緩い理由なので、気合が足りません。

貴妃になれなかった女性がどういう末路を辿るのか、その侍女の行く末なんて更に悲惨なもので、みんな自分の主を必死で助けるのは理解できます。

明羽が使える來梨は他の女性たちよりもかなり遅れをとっているので、先行き不安しかありません・・。


こんな感じでただドロドロした人間模様だけを描かれたら読み切れなかったと思いますが、事件が起きてそれを調査して解決するというミステリ仕立てになっているので読みやすかったです。

きっとファンタジー好きよりもミステリ好きな人の方が楽しめると思います。


この先どうなっていくのか、色々と気になる部分があるので、続きも読んでいきます。


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タグ:瀬那和章

2024年02月22日

買った本

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 柴田よしき 著
 「別れの季節 お勝手のあん」
 (ハルキ文庫)


大好きな作家さんの大好きなシリーズ。発売されたらすぐ買ってすぐ読みます。


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 瀬那和章 著
 「後宮の百花輪(1)」
 (双葉文庫)※電子書籍


ネットでの感想を読んで面白そうだったので。なかなか面白かった。


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 南原詠 著
 「特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来」
 (宝島文庫)※電子書籍


ネットでの感想を読んで面白そうだったので。難しくてよくわからなかった・・。

2024年02月20日

椹野道流「最後の晩ごはん 初恋と鮭の包み焼き」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 初恋と鮭の包み焼き」
 (角川文庫)


芦屋の定食屋「ばんめし屋」で働く、元俳優の五十嵐海里。バイト先のカフェ兼バーで、朗読劇への出演を目指し、演じることに再び向き合うことになるが、作家の淡海が手掛けた登場人物にどうしても感情移入ができない。そこで人の姿になれる眼鏡の付喪神、ロイドとともに、淡海の取材に同行することに。しかしロイドが、淡海の中に存在するはずの、彼の死んだ妹の気配を感じられないと言い出して・・。大人のお料理青春小説第15弾。−裏表紙より−


前作で、作家の淡海が海里に朗読劇用の小説を書いてくれたのですが、練習がなかなかうまくいかず海里は悩んでいます。

お詫びの印という言い方をしていた割には難しい役を書いてくれたので、自分が演じる人物に共感できず苦しみます。真面目に役に取り組むのは良いことですが。


師匠と読み合わせをする度に落ち込む海里。師匠が「全て共感する必要はない」と言うのですが、やはり気持ちがわからないと演じきれないというのもわかる気はします。

気持ちがわからないとセリフをどんな口調で言えば良いのかさえわからないですからね。朗読劇となれば、動きは付けられないのでより大変です。動きでごまかすことさえ出来ませんから。

今回は朗読劇を演じる所が描かれるのかと思ったら、苦しんでいる海里がひたすら描かれて終わり。この調子だと次回も練習だけで終わりそう。

でもまあ、これだけ悩んで頑張っている海里を見られるのも成長の証なので良かったとも思えます。


今回の幽霊さんは、淡海の妹。かなり前に出て来た彼女は、兄の中で存在することにしていました。でもどうやらいなくなったようで。

心配したロイドが妹に話を聞くことに。

事情を聞くと、離れたくなるのもわかります。彼はそろそろ自立した方が良いのでしょうね。


妹さんが離れることでまた彼がどんな人生を歩んでいくのかも楽しみになりました。

前向きなお別れだったので今回は泣かずに終わりました。毎回こうだと良いのですが・・。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」
「海の花火とかき氷」
「聖なる夜のロールキャベツ」
「秘された花とシフォンケーキ」
「閉ざされた瞳とクリームソーダ」
「地下アイドルと筑前煮」


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2024年02月16日

今野敏「天を測る」

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 今野敏 著
 「天を測る」
 (講談社文庫)


安政七年(1860年)。笠間藩士・小野友五郎はサンフランシスコを目指す咸臨丸の船上にあった。船酔いで船室に籠もる艦長・勝海舟を尻目に、その正確な測量術はアメリカ人船員を感嘆させる。帰国後、幕臣となった小野は、回天の動乱の中で抗議とこの国のために働き続ける。知られざる幕末の英雄を描く。−裏表紙より−


大好きな作家さんですが、時代小説は初読みです。苦手な(というか嫌いな)幕末時代の話ですけど、この作家さんならば楽しめるかな?と読んでみました。


時代小説でも今野敏節は健在! 中間管理職的な立場の人が主役で、部下のことを信頼し、任せる所は任せて、もし失敗したら責任を取る。上司に対しても臆することなく自分の信念は伝える。こんな上司がいたら仕事が楽しいだろうなと思える人。

そんな主人公・小野友五郎は、測量術に秀でている武士。測量技術を使ってアメリカまで航海することになります。何度も航海している熟練のアメリカ人たちと同じ船に乗り測量技術を競い合いながらの旅。アメリカ人とも良い関係が築けるのもさすがです。

航海部分を長く描くのかと思えばそうではなく、この航海は思ったよりも短い展開で終わります。帰国後、一つの藩の武士だった彼は幕臣となり、大きな出世を遂げます。その出世さえも特に喜ぶこともなく、ただ自分のやりたいこと、この国をよくすることさえ出来ればどんな立場でも受けるという考えです。

時代が大きく変わる時なので、戦にかり出されることもあり、国内で争っている場合では無いのに、と思いながらも粛々と自分に与えられた職務を全うしていきます。

時代が変化しても揺るぎない信念があるので、心乱れることもなく生きていく小野の姿はある意味あっぱれでした。


この物語で面白いのは、現代で崇められている存在の坂本龍馬や勝海舟などが大したことない奴のように描かれていること。これを読んだら、彼らよりも小野友五郎の方が活躍しているし、後世に語り継ぐべき人物じゃないの?と思います。

今野敏が描いていなければもっと頼りない感じの人物になるのか? ちょっと他の作家さんが描く小野友五郎も読んでみたい気がします(幕末苦手なので読まないでしょうけど)。


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2024年02月08日

ジョアン・フルーク「トリプルチョコレート・チーズケーキが噂する」

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 ジョアン・フルーク 著
  上條ひろみ 訳
 「トリプルチョコレート・チーズケーキが噂する」お菓子探偵ハンナ24
 (mirabooks)※電子書籍


横暴で嫌われ者のレイク・エデン町長。その日も夫を侮辱されたハンナの妹アンドリアの逆鱗に触れ、張り倒されるはめに。ところが数時間後、ハンナの新作ケーキを手に謝罪に訪れたアンドリアが発見したのは、彼の死体だった!イースターの注文に大忙しのハンナも、妹のピンチを救うため調査を開始する。けれど町長に恨みを持つ人物はあちこちにいて・・史上最多の容疑者にハンナもお手上げ状態!?−出版社HPより−

今年もやって来ました! ハンナシリーズの発売が!

あらすじが思いっきりネタバレなのですが、このシリーズにとって誰が被害者で加害者か?はどうでもいいということなのでしょう。さすがに誰が犯人か?までは書かれていませんしね。


ずっと嫌な奴として存在していたバスコム町長。彼は嫌われているのに殺されないので、このまま存在していくのかと思えば、ここにきていよいよ被害者に。今回ほど「仕方ないね」と思う被害者はいませんね。

そんな彼が被害者となると、いつものように、ハンナの作ったお菓子が現場に落ちている・・くらいではインパクトがないので、妹のアンドリアを容疑者に仕立てています。

しかし、数時間前に被害者を揉めた上に張り倒してまでいて、更には死体まで発見しているという揺るぎない容疑者だというのに、拘留されることもなく、警察に連れて行かれて尋問されるでもなく、自宅でサラッと確認して終了だなんて、どれだけ身内に甘いんだか!

そんなんだから素人探偵に出し抜かれるんだよ!と呆れてしまいます。


何より今回気になったのが、何度も出てくる、ハンナの頭の中での会話。自分が発言したことに対して、悪者みたいな考えがツッコミを入れて、良い人が仲裁するみたいな展開が何度もありました。

何それ? 今までもあったかな? 気になって仕方ありませんでした。

しかも、その展開のせいでハンナの性格がますます悪く見えて、ハンナがどんどん嫌いになってしまいます。


ハンナが自分のアパートに帰りたがっているのも理解出来ません。愛猫・モシェさえ嫌がらなかれば帰るのに、という発言が多いこと。サラッと住んでいるミシェルにも驚きますけど。いくら気に入っているといってもね〜。サッサと売って別の家を購入するか、ノーマンと住むかしたらいいのに。

更に気になるのはマイクの存在。彼ってそんなに大食いキャラでしたっけ?今となっては大食い以外に存在価値がないかのような状態。もうハンナのことは何とも思っていないんじゃないの?と思います。ノーマンと結婚したら全ては丸く収まるのに、何がそんなに問題なんだろう?


あ〜、このシリーズの感想を書くとどうしても辛口になってしまう! でもきっと続きも読みますよ。一年が待ち遠しいくらい!


<お菓子探偵ハンナシリーズ>
「チョコチップクッキーは見ていた」
「ストロベリーショートケーキが泣いている」
「ブルーベリー-マフィンは復讐する」
「レモンメレンゲ・パイが隠している」
「ファッジ・カップケーキは怒っている」
「シュガークッキーが凍えている」
「ピーチ・コブラーは嘘をつく」
「チェリー・チーズケーキが演じている」
「キーライム・パイはため息をつく」
「キャロットケーキがだましている」
「シュークリームは覗いている」
「プラムプディングが慌てている」
「アップルターンオーバーは忘れない」
「デビルズ・フードケーキが真似している」
「シナモンロールは追跡する」
「レッドベルベット・カップケーキが怯えている」
「ブラックベリー・パイは潜んでいる」
「ダブルファッジ・ブラウニーが震えている」
「ウェディングケーキが待っている」
「バナナクリーム・パイが覚えていた」
「ラズベリー・デニッシュはざわめく」
「チョコレートクリーム・パイは知っている」
「ココナッツ・レイヤーケーキはまどろむ」


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2024年02月06日

千早茜「しろがねの葉」

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 千早茜 著
 「しろがねの葉」
 (新潮文庫)※電子書籍


戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と秘められた鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は意気阻喪し、庇護者を失ったウメは、欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出された―。繰り返し訪れる愛する者との別れ、それでも彼女は運命に抗い続ける。第168回直木賞受賞作。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。読書メーターで献本に当たったので読んでみました。電子書籍が当たったのは良いのですが、いつも使っているアプリと違ったのであわててダウンロードすることになり、焦りました。でもお陰でアプリが2つになったので、いつもの方に無い作品をこっちで探してみることが出来るか?とちょっとワクワク。



読書メーターで年間ランキングで上位入賞しただけあって、読み応え十分な作品でした。大河ドラマを見終えたかのような重量感。

舞台となる場所は石見銀山。ほぼそこから動かないので舞台は変わらないのですが、人物の入れ替わりがあるせいか飽きずに読めます。ただ、舞台が舞台だけに終始暗い場面が続きます。坑道以外の場面が多いのに、ずっとどんより暗い感じ。常に曇り空の薄暗い山の中というイメージがしていました。


主人公はウメという女性。子ども時代から始まる彼女の人生が描かれます。物心ついたころから夜目が効いていて、暗闇の中でもよく見えていました。そういう始まり方をしたので、銀山に辿り着いて拾われた時にはきっと女性でありながら、銀山で頭角を現して・・的な展開になるのだろうと思ってしまいました。

が、素人が考え付くような展開にはなりませんね。

そういうことよりも、ウメが女性として生きていく大変さを噛み締める所が大きなテーマとなっていて、同じ女性としては苦しい場面がありすぎました。

普通の社会で生きていくのも大変なのに、銀山という男性の社会で女性が生きていくのは想像を絶する大変さです。坑道に入るのも許されない存在の女性。子どものころはまだ良いのですが、大人になると全てが変わります。

銀山での女性の役割は、ただひとつ。坑道に入って銀を発掘出来る男子を産むこと。

失礼な話です! それに対してウメは憤りますし、反抗しようとするのですが、どうしても大人の女性になってしまうと抗えなくなるんですよね。

坑道に入れないのだから、せめて夫や息子のことだけでも守りたい、健康で生きて欲しいというただそれだけに生きることになります。それだけでも十分立派な仕事ではあるのですが、何だか報われない感じがあります。

特にウメはせっかく良い才能があるのに勿体ない気もします。


ウメに関わる男性たちの生き様と、ウメの人生。読みながら目を背けたくなる場面もあり、読み終わるとかなり疲れてしまいました。読み応えあったと思うのですが、もう一度読みたいかというと辛過ぎて嫌です。

でもきっとウメは幸せだったのだろうとは思えました。


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タグ:千早茜

2024年02月02日

帚木蓬生「閉鎖病棟」

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 帚木蓬生 著
 「閉鎖病棟」
 (新潮文庫)※電子書籍


とある精神病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった・・。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちは―。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。現役の精神科医なんですね。

この作品、名前を聞いたことがあると思ったら、映画化されていたんですね。芸人さんがテレビで何度も言っていたので覚えていたようです、あの人はどっちの役なんだろう?ちょっと気になります。



物語の始まりは、とある産婦人科から。そこに父親の名前を伏せて堕胎手術を受けようとする少女の姿がありました。彼女が精神病棟に入院する話なのかと思ったら、ある精神病棟の日常が描かれ始めます。

ここに入院しているのか?と読み進めるとどうやらそうではないようで、この病院で行われている陶芸教室に通っている少女があの子なんだ、とわかってきます。

何やら心に傷を抱えていて、学校に通えていないらしい彼女のことを、精神病棟に入院している患者たちが付かず離れず見守っています。彼らと少女のやり取りは微笑ましくて良かったです。


しばらくは何も大きな事件が起きるわけではなく、ある意味淡々と日常が過ぎていきながら、入院患者たちのそれまでの人生が時々描かれ、どんな経緯で入院しているのかもわかります。

ほとんどの人は家族から捨てられるようにして入院している状態。読んでいるとそこまで大変なのか?と思うほど安定している人もいますが、入院して落ち着いただけで、以前は荒れていたんだとわかります。中には犯罪を犯している人も。


それぞれの人となりを読んでいると、事件が起きてしまいます。これは仕方ないというか、動機としてはわかる気がします。ただ、なぜ彼が?とは思いますが、そこは後で明かされますし、そこがこの物語の最大の見せ場にもなっています。


終始なんとなく暗い感じで進む物語ですが、最後は幸せな気分にさせられる終わり方をしていて、読んで良かったと思えました。
みんな幸せになってほしいと強く願ってしまいます。


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タグ:帚木蓬生

2024年02月01日

1月のまとめ

閉鎖病棟 (新潮文庫)閉鎖病棟 (新潮文庫)
精神疾患を抱えた患者たちが入院している病院の話。色んな病気があって、色んな症状があって、個性も色々。過去に犯罪を犯している人もいて、心に傷をもちながらも健気に生きている姿が素敵でした。最後も希望のもてる終わり方で、さわやかな読了感でした。
読了日:01月04日 著者:帚木 蓬生


しろがねの葉しろがねの葉
舞台は狭い世界での話ですが、なかなか壮大な物語でした。ただ、終始暗い雰囲気が流れていて、読んでいて苦しい場面も多く、一気読みは出来ませんでした。読み終わったら大河ドラマを見たような重さがあって、ため息が出ました。
読了日:01月12日 著者:千早 茜


トリプルチョコレート・チーズケーキが噂する (mirabooks)トリプルチョコレート・チーズケーキが噂する (mirabooks)
何で読んでいるのかわからないのに発売されたらすぐに買って読んでしまう、謎のシリーズ。今回の被害者は、いつかは殺害されると思っていたあの人。殺されそうだからこのまま殺されずに終わるのかと思ったら・・でした。しかも理由が意外でした。事件よりも気になったのは、ハンナの頭の中のやり取り。何でしょう?悪者と良い人が頭の中で言い合いするなんて。これって必要??なんかイライラの場面が増えた感じがします。ハンナの性格、どんどん悪くなるし。でもまた次も読むんだろうな。
読了日:01月18日 著者:ジョアン フルーク


天を測る (講談社文庫)天を測る (講談社文庫)
個人的にあまり好きでは無い幕末の話。幕末といえば、新撰組とか坂本竜馬とかの視点で描かれることが多いですが、この作品では全く別の視点で描かれているので新鮮でした。歴史上の偉人と呼ばれている人たちが意外と役に立たないというのが爽快でもありました。時代小説でも今野敏らしさ全開です。
読了日:01月25日 著者:今野敏


最後の晩ごはん 初恋と鮭の包み焼き (角川文庫)最後の晩ごはん 初恋と鮭の包み焼き (角川文庫)
朗読も奥が深いんだなと変な所に感心。一度じっくり聞いてみたいものです。海里はずっと悩んで苦しそうですが、成長もしているので頼もしくなってきました。お兄さん夫婦の決断も素敵。そして作家先生もがんばりました。
読了日:01月30日 著者:椹野 道流




全部で5冊。時間がかかってしまう本が多かったです。

posted by DONA at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ