
中村ふみ 著
「天空の翼 地上の星」
(講談社文庫)
天下四国――この世は、峻厳たる山々に囲まれた四つの国に分かれている。南の王国「徐」の王太子・寿白は、革命の混乱のさなかに王の証「王玉」を得たが、
徐国は倒れ、国名も「庚」と改められてしまう。それから十年。かつて輝くほど聡明な少年王だった男は、飛牙と名乗るすれっからしに成り果てていた。天令の那兪は、飛牙の胸に眠る王玉を天へ返すよう迫るが……。極上の中華風ファンタジー、開幕!−裏表紙より−
初めましての作家さんです。
ネットでの感想にもよく書かれていますが、これって・・・十二国記みたい!
十二国記の縮小版!?
国の数が4つしか無さそうなので、何とか完結してくれそうです(シリーズは6作で完結したそう)が、どうなんでしょうね・・。あちらは風呂敷を広げ過ぎてどうにもならなくなっているようなので、こちらを読んでいくのが良いのかもしれません。
ただ、挿絵が入っているのが何ともね〜。ラノベだから仕方ないのでしょうが、電車では読みにくいです。通勤の間に読みたいタイプなので、それが辛かったです。そのページは斜めに読んで、サッと捲る感じ。
この1作目に描かれるのは「徐」という国。この世界では、王になる時に天から「王玉」をもらうのですが、誰でももらえるわけではなく、選ばれし王だけがもらえるという不思議な玉。もらうというのは体内に入れることなので、もらえない王の時代は飾ってあります。
うん、なかなか面白い設定です。
そして、こういう話にありがちな民衆の反乱が起きて、時代が変わることになり、命を狙われた王が息子に跡を継がせるわけです。王となったのは寿白という少年。もちろん彼も命を狙われるため、守られながらも落ち延びることに。
玉をもらえた寿白は選ばれし王として、王族からは期待されますが、民衆はそんなこと一切知らないため、反乱を起こした首謀者を国のトップとすることを余儀なくされます。まあそうなると、この国は荒れるんですよね。
と、よくある展開ではあるのですが、ミステリアスな人がいたり、天の使いである那兪と大人になった寿白のやりとりが面白かったりするので、サクサクと読めてしまいます。
運命に翻弄される、運命に逆らおうと藻掻く様子は読んでいて苦しくなりましたけど、寿白の性格がカラリとしていることもあって、そこまで重くなることもなく読めました。それでも可哀そうな部分や、目を背けたくなるような描写はたくさんありました。
何となく1作で完結した感もあるシリーズ。2作目以降は読まなくてもいいかな?と思いつつ、手元にあるので一応読んでみるか?とか悩み中です。
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