
今村翔吾 著
「夏の戻り船 くらまし屋稼業」
(ハルキ文庫)※電子書籍
「皐月十五日に、船で陸奥に晦ましていたたきたい」−かつて採薬使の役目に就いていた阿部将翁は、幕府の監視下に置かれていた。しかし、己の余命が僅かだと悟っている彼には、最後にどうしても果たしたい遠い日の約束があった。平九郎に仕事を依頼した将翁だが、幕府の隠し薬園がある高尾山へ秘密裡に連れて行かれる。山に集結した薬園奉行、道中奉行、御庭番、謎の者・・平九郎たち「くらまし屋」は、将翁の切なる想いを叶えられるのか!?続々重版中の大人気時代エンターテインメント、堂々のシリーズ第三弾。−出版社HPより−
久しぶりのくらまし屋。内容忘れたな・・と思っていても、読み始めたら色々思い出しました。
今回の依頼者は「採薬使」という役目に長年就いていた将翁。長年仕えて来たというのに、晩年になった彼を軟禁しようとしている幕府。実は薬に詳しい者たちを謎の集団が拉致するという事件が起きているのです。
確かに、脅されて将軍などを毒殺させようとされると困りますから、監視下に置きたい気持ちはわかります。でも、引退した人物を軟禁するなんて・・。命を取られないだけマシなのか。
幕府の監視下に置かれる彼をそこから脱出させ、しかも拉致しようと狙っている集団からも守らないといけないという大変な任務となりました。
しかも、「船で陸奥にくらましてほしい」という依頼。交通手段はともかく、場所も日にちも指定されているので、下見の時間も限られてしまいます。
平九郎の仲間たちが内偵を進めてくれて、何とか依頼をこなすわけですが、今回の敵はなかなか手ごわいです。
薬草の世界では有名で、しかも研究熱心だった将翁は狙われて当然の人物なので、強敵が彼を奪いに来ます。笑いながら人を殺していくというかなりおかしな人物が数人。怖すぎです。
腕に覚えのある人たちが将翁を守っていたのですが、そんな彼らでさえも命の危険を感じてしまうほどの強敵でした。たくさんの人を殺していく敵ですが、平九郎が何とか追い払って、将翁を船に乗せるとあっさり終了。
なぜ将翁が陸奥に行きたいのか?を語る涙のシーンではありますが、必死で襲ってきた敵たちのあっさりした引き方にちょっとがっかりもしました。何度も襲われても困りますけど何となく物足りなさも感じてしまいました。
きっと敵たちをまとめておいて、最後にドンとやっつけていくのでしょう。それを楽しみに追いかけることにします。
<くらまし屋シリーズ>
「くらまし屋稼業」
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