
池井戸潤 著
「アルルカンと道化師」半沢直樹
(講談社文庫)
東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹に風変わりな案件が持ち込まれた。大手IT企業が、業績低迷中の美術系出版社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗するが、やがて背後にひそむ秘密に気づく。半沢の推理が冴え物語が反転する、国民的大人気シリーズ「エピソードゼロ」。−裏表紙より−
シリーズ5作目。あらすじを読んでびっくりしましたが、「エピソードゼロ」ということは、時系列的には1作目より前ということだそうです。
読み終わっても気づかなかった・・。どれだけ適当に読んでいるのかがわかりますね。
1作目を読んだのが2011年なので、12年前!? 覚えていないはずです。
登場人物の名前や役職なんかをしっかり覚えていれば気づいていたのかもしれません。同期の渡真利くらいしか覚えていませんから。
まあ別に時系列を勘違いしていても困らなかったですけどね。
今回の半沢は融資課長として大阪西支店に在籍し、頼りないというか我儘な支店長に振り回されています。地元で大事な行事に参加しない支店長に「代わりに参加してこい」と言われて何度も参加することになり、その度に町の重鎮たちから叱られる。それを報告しても支店長は気にせずまた不参加のくり返し。サラリーマンって大変だとこんなところで思ってしまいました。
その点についてもそのままで終わるわけはなく、大問題に発展するわけですが。今回はやり返しが2回って感じです。
本題はとある出版社に持ち上がった買収話。美術系の出版物を扱うこの会社は資金繰りが厳しくて、銀行に融資を頼もうとしています。半沢が担当しているわけですが、そんな会社を買収したいという話が出てくれば、半沢でなくても不思議に思いますよね。
どこの会社が言い出しているのかも秘密にされてしまうのですが、同期の渡真利から大手IT企業の名前が知らされます。あまりにも畑違いなのでますます疑問に思う半沢。甘い言葉や条件ばかりをちらつかせるIT企業を調べるうちに思いがけないことが発覚します。
融資を通すための稟議書も作らないといけませんし、そのためにどうやって経営を改革して会社を建て直していくか?も考え、更には買収先の問題も調べて解決して・・と本当に大忙しです。
銀行員がここまでしないといけないとしたら本当に大変ですね・・私には一生やれないですし、やりたくもないです。このシリーズを読んで、半沢が理不尽な目に合うのを見る度に、銀行員が出世したがるわけだ、と納得します。偉くならないと思い通りに進められませんからね。
半沢も課長だから支店長らにいいようにこき使われますし、彼らの思い通りに進めるためだけに妨害されたり、上層部にチクられたり。本当にやってられない!って感じです。課長ではまだまだダメですね。
今回は半沢の倍返しよりも、題名にもなっている絵画のアレコレの方が面白かったです。面白いというか、悲しいような羨ましいような不思議な感覚になりました。こんな関係を築ける人が見つかるのはある意味とても羨ましくなります。でも悲しいな・・・。
ネタバレになるので書きません。ぜひ読んでみてください。
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