2023年08月30日

今村翔吾「てらこや青義堂 師匠、走る」

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 今村翔吾 著
 「てらこや青義堂 師匠、走る」
 (小学館文庫)※電子書籍


明和七年、泰平の江戸日本橋で寺子屋の師匠をつとめる坂入十蔵は、かつては凄腕と怖れられた公儀隠密だった。貧しい御家人の息子・鉄之助、浪費癖のある呉服屋の息子・吉太郎、兵法ばかり学びたがる武家の娘・千織など、個性豊かな筆子に寄りそう十蔵の元に、将軍暗殺を企図する忍びの一団・宵闇が公儀隠密をも狙っているとの報せが届く。翌年、伊勢へお蔭参りに向かう筆子らに同道していた十蔵は、離縁していた妻・睦月の身にも宵闇の手が及ぶと知って妻の里へ走った。夫婦の愛、師弟の絆、手に汗握る結末―今村翔吾の原典ともいえる青春時代小説。−出版社HPより−


最近お気に入りになっている作家さんのシリーズではない作品。

題名と表紙の雰囲気から寺子屋の日常のちょっとした騒動を師匠と筆子がドタバタしつつ解決していく、的な話しかと思っていたのですが、まさかこんな内容だとは!と驚きました。ドタバタではありますが、命のやり取りをするような真剣なドタバタですし、内容も重い。


元公儀隠密というすごい経歴をもつ十蔵が営む寺子屋には、個性的な筆子が4人ほど。さすがに他にもいるようですが、他の寺子屋で破門された子どもも拒まないため、どうしても個性的な子どもが集まるようです。そして、授業料も安いため、ずっと貧しい状態です。

元隠密ということは公には出来ないため、誰も知りませんが、只者ではないとは思われているようです。


筆子が持ち込むゴタゴタを解決?と思ったら、急に不穏な空気が。個性的な筆子である4人と伊勢参りに出かけることになったところから話は急展開していきます。

実は十蔵は昔結婚していたのですが、隠密時代に一方的に離縁していました。隠密という仕事上、家族がいることが足かせになるし、家族も命を狙われることが多発したため、里に帰しました。

せっかく平穏な日常を手に入れたのに、十蔵の命を狙う隠密集団がいるとの情報が。そんな中出かけた伊勢参りの旅。筆子も連れていましたが、不穏な動きが活発化してきて、更には里に帰した妻の命も狙われているとわかりあわてて駆けつけます。


筆子たちも師匠を助けるため命がけの戦いを強いられ、十蔵も筆子を守るため、妻を救うために戦い、目が離せない展開が続きます。

緊迫した場面が続く中、奥さんの存在に助けられました。命狙われていますけど!?わかってる?と言いたいくらいのんきな反応を繰り返していて、でもかなりしっかりした性格と頭の良さもあって、十蔵を顎で指図するような感じがとても素敵でした。

何でこんな良い人と別れたんだ!と十蔵を叱りたくなるほどの存在。


最後は何とか収まる所に収まって、良い感じになりました。これはシリーズ化は難しいかな?毎回ここまでの命がけの戦いをしていたらもたない気がします。もっと軽いいざこざなら続けられるのに残念です。でもまた彼らに会いたいな。


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2023年08月25日

畠中恵「えどさがし」

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 畠中恵 著
 「えどさがし」しゃばけシリーズ外伝
 (新潮文庫)


時は流れて江戸から明治へ。夜の銀座で、とんびを羽織った男が人捜しをしていた。男の名は仁吉。今は京橋と名乗っている。そして捜しているのは、若だんな!?手がかりを求めて訪ねた新聞社で突如鳴り響く銃声!事件に巻き込まれた仁吉の運命は―表題作「えどさがし」のほか、お馴染みの登場人物が大活躍する全五編。「しゃばけ」シリーズ初の外伝、文庫オリジナルで登場。−裏表紙より−


五百年の判じ絵」「太郎君、東へ」「たちまちづき」「親分のおかみさん」「えどさがし」の5編収録。

しゃばけシリーズの外伝です。しゃばけシリーズ自体、どこまで読んだっけ?というくらい放置しているのに外伝を読むという。

1話目からグイっと引き込まれました。若だんなの祖母であるおぎんが、まだ兄やになっていなかった佐助を判じ絵を使って長崎屋に導いて来る話なのですが、兄やになる前の佐助を知ることが出来て面白かったです。一太郎の人柄はもちろん、おぎんの力も2人の兄やが誕生するために必要だったんですね。ますます佐助が好きになりました。

「太郎君、東へ」
河童のねねこの話です。河童がたくさん出てきて、あれこれもめてケンカして、大きな川も巻き込んで、いざこざは小さいのになかなか壮大なスケールでの話でした。ねねこさんの恋愛っぽい話も読めてほっこり。

「親分のおかみさん」
若だんながいつもお世話している親分さんとおかみさんの話。この話は鳴家が出てきて、それだけで嬉しいし可愛いし、大満足でした。

「えどさがし」
明治時代になっているので、若だんなはもちろんこの世にいない・・でもどうやら再会することになりそうです。これは若だんなとの再会を心待ちにして集まる妖たち全員登場!って感じでニヤニヤが止まりません。若だんな、本当に慕われているんだなとしみじみ。


こうやって外伝を読んでしまうと、早く本編に戻らないとと思います。また妖たちに会いたくなりました。


<しゃばけシリーズ>
「しゃばけ」
「ぬしさまへ」
「ねこのばば」
「おまけのこ」
「うそうそ」
「ちんぷんかんぷん」
「いっちばん」
「ころころろ」
「ゆんでめて」
「やなりいなり」
「ひなこまち」
「すえずえ」


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2023年08月18日

柴田よしき「あんとほうき星 お勝手のあん」

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 柴田よしき 著
 「あんとほうき星 お勝手のあん」
 (ハルキ文庫)


紅屋から平蔵が去ったことで、安政五年はおやすにとって忙しい日々が続く年となった。品川に腕の良い女料理人がいるとの噂が広まっていく中で、御殿山の宴に出した、おやすが考案した花見弁当は江戸中の話題となる。そんな多忙な中、おやすは、かつて紅屋で小僧として働いていたが、武家に養子入りして立派な若侍姿となった勘平との再会を果たしていた。思わぬ嬉しさに心満たされる一方、疫病が江戸に蔓延し始めて品川にも影を落とし、とめ吉も病に倒れてしまう……。待望のシリーズ第八弾!−裏表紙より−


おやすの恋も淡い雰囲気のまま終わり、まだ幼さも残りますが、実は18歳という立派な大人の女性になっています。

この時代、女料理人というのはほとんどいない状況なので、このまま料理人を続けていて大丈夫なのか?という不安もありますし、誰かと結婚してどこかの家の嫁として生きていく道もある、という転換期に来ています。

おやすは素直な性格なので縁談は色々ありそうですが、本人は料理を続けていきたい、今の店で働いていたいという気持ちが強いというか、それしか考えられないようです。

ちょうど黒船もやって来たり、お上にも色々問題が発生して世の中は不安定になっています。後10数年で江戸時代は終わるのか!?という世の中。

女料理人としては新しい時代の方が生きやすいのかもしれませんが、時代の変化がどう影響するのか今から心配になります。


今回は、江戸に蔓延した疫病がとめ吉にも襲い掛かり、倒れてしまうという大きな災難が。おやすは自分がとめ吉の体調の変化に気づいてあげられなかったからだと反省して、看病を続けます。読んでいてきっと大丈夫だろうと思いつつも心配になる展開でした。

次作からは周りだけではなく、おやす自身にも何か変化があるかも? そろそろ変化が起きてもおかしくない年齢になってきました。

楽しみなような寂しいような。おやすにはまだまだ紅屋で修行していてもらいたい気がします。


<お勝手のあんシリーズ>
「お勝手のあん」
「あんの青春〜春を待つころ〜」
「あんの青春〜若葉の季〜」
「あんのまごころ」
「あんの夢」
「あんの信じるもの」
「あんの明日」


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2023年08月10日

買った本

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 今村翔吾 著
 「てらこや青義堂 師匠、走る」
 (小学館文庫)※電子書籍


最近お気に入りの作家さん。題名からして面白そうだったので購入。


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 伊坂幸太郎 著
 「逆ソクラテス」
 (集英社文庫)


お気に入りの作家さん。小難しい話しかと思いましたが。この作家さんらしい内容でした。


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 柴田よしき 著
 「あんとほうき星 お勝手のあん」
 (ハルキ文庫)


大好きなシリーズ。どんどん書いてもらいたいです。


2023年08月09日

アミの会「おいしい旅 想い出編(1)」

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 アミの会 編
 「おいしい旅 想い出編(1)」
 (角川文庫)


15年ぶりに再会した友人と訪れた京都。昔話に花を咲かせるが、みなそれぞれに事情を抱えていた・・(「あの日の味は」)。亡くした夫との思い出を胸にひとり旅をしていた故郷・神戸で偶然出会った青年。一緒にスイーツ巡りをすることになるが(「幸福のレシピ」)。住んでいた街、懐かしい友人、大切な料理。温かな記憶をめぐる「想い出」の旅を描いた7作品を収録。優しい気持ちに満たされる、文庫オリジナルアンソロジー。−裏表紙より−


柴田よしき「あの日の味は」
福田和代「幸福のレシピ」
矢崎存美「下戸の街・赤羽」
光原百合「旅の始まりの天ぷらそば」
新津きよみ「ゲストハウス」
秋川滝美「からくり時計のある町で」
大崎梢「横浜アラモード」

7話収録されています。お気に入りの作家さんが3名。全員読んだことがある作家さんたちですが、ほとんどはアンソロジー、しかもアミの会で読んだだけです。

旅行にかかせない「食」がテーマとなって描かれている作品が収録されているので、美味しい物を食べるのが好きな私にはぴったりな作品集です。

「幸福のレシピ」が一番印象に残りました。それはたぶん、地元のことが細かく描かれていて、土地が思い浮かべやすかったからでしょう。実在のスイーツ店もたくさん出てきて、その度に「あの店、美味しいよね」なんて思えたのも良かったです。ちょっぴり切ない話でしたが、最後が本当に「幸福」で、読んでいても幸せになれました。

「あの日の味は」は、昔の同級生たちのちょっとした同窓会のような内容なのですが、このままいったら誰かの悪口を言いだしたり、実は彼女はこんな感じで・・と不幸話になったりするのか?と心配でしたが、最後までふんわりと温かい雰囲気だったので読みやすくて安心しました。

「からくり時計のある町で」は、女性だったら少しは思い当たることがあるんじゃないか?と思う内容でした。親友と思っていた人とちょっとしたことですれ違ってしまう・・。そして素直に結婚する友を祝福できない複雑な心境。大抵の女性が、わかる気がする、と思えるのでは? 


全体的に、コロナ禍の話が多くて、もちろん避けられない事態ではあるのですが、現実の話ではないのでここまで描かなくても良い気がしました。コロナの話が出る度に現実に引き戻される感じがあってその辺りは残念ではありました。

それでも旅が好きな人、食べることが好きな人、美味しい物が好き!な人は楽しめる作品集ですので、ぜひ読んでみてください。

アンソロジーでしか読んだことのない作家さんたちもいつかちゃんと長編を読んでみようと思います。


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2023年08月07日

柴田よしき「ねこまち日々便り」

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 柴田よしき 著
 「ねこまち日々便り(上) ねこが来た編」
 「ねこまち日々便り(下) ひとも来た編」
 (祥伝社文庫)


緑色の大きな目をした、やけにヒゲの長い猫だった。離婚を機に故郷根古万知に戻った愛美は、この灰色の拾い猫をノンちゃんと名付け、飼うことに。町名をもじって「ねこまち」と呼ばれるシャッター商店街の再活性化を狙い、ノンちゃんは一日駅長を務めることになる。すると、これが話題になり、ノンちゃん見たさに駅は大賑わい、町も観光客で活気を取り戻す。ところが・・。−上巻裏表紙より−

ふかふかと柔らかな毛に包まれた灰色の猫は、なかなかの器量良しだった。観光客は一向に途切れない。しかし、愛美たち商店街に暮らす人々は根本的な問題に悩んでいた。高齢化による後継者問題である。ノンちゃん人気が衰えないうちに、若者が、子どもたちが住みたくなる町にするためには。愛美は自分の故郷の未来のため、奇想天外な案を思いつくと・・。。−下巻裏表紙より−


上下巻分けて感想を書くつもりが、日が経ちすぎてどこまでが上巻だったかわからなくなったのでまとめます。

読み始めたら「あの猫の駅長がいる町の話ね?」と思ったのですが、違いました。確かに、人が少ない過疎の村で、猫を駅長にして人を呼ぼう!というのは色んな所で考えられそうな感じではあります。人懐っこい猫がいたら、よし!やってみよう!的な。

なめ猫世代が偉い人になっているでしょうから、猫を擬人化?したくなるのは何となく気持ちがわかります。そして、1つ成功すると真似したくなりますしね。

この話も始めは拾った猫が人懐っこいから「駅長に」となるわけですが、それだけで終わったら面白くなかったでしょうし、上下巻に分けるほど話も広がらなかったと思うのですが、ここではあくまでも「1日駅長」でした。

そういうイベントを開催して、猫好きの人たちに集まってもらおうというわけです。

イベントは成功し、その時は人もやって来たのですが、駅で降りて終わりになりました。駅に降りて、商店街の方に人を呼ぶためにはどうすれば良いのか? ここがこの話のメインテーマとなってきます。

確かに「猫の駅長」を見に来たのであれば、駅ですべては完結してしまいますよね。これが町であれば、駅自体に店が入っていたり、駅前に色々な店が並んでいるのが見えたりして、一旦外に出てみようか?となるでしょうが、駅の周りに何もなければ、駅で座って電車を待ちそうです。

ノンちゃんという猫を飼うことになった愛美は、この村で育ち、一度は都会に出て、離婚を機に戻って来ました。一旦外に出たからこそわかる、故郷の村の素晴らしさ。それを何とか色んな人に知らせていってあそびに来てもらいたいと思うようになります。

色々と活動していくうちに、村以外の人にアピールするだけでは足りないことに気づきます。この村に昔から暮らす年配の人たちにとっては、別にこの村が発展する必要も無いわけで、このまま静かに暮らせれば・・と考えてしまうのもわからなくもないです。

実は「このまま静かに」というのがいかに難しいかをあまり考えていない人が多くて、まずは村の人たちのやる気を掘り起こす所から始まります。

愛美たちの奮闘ぶりが健気で必死で、ここまで何かに打ち込めるのが羨ましくなりました。

実際はこんなにうまくいくのは珍しいと思いますが、成功して良かったと愛美たちと一緒に喜ぶことが出来て、読んでいて良かったと思えました。もちろん、これで終わりにはなりませんから、これからもがんばらないとね!と応援したくなりました。


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2023年08月02日

西條奈加「わかれ縁 狸穴屋お始末日記」

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 西條奈加 著
 「わかれ縁 狸穴屋お始末日記」
 (文春文庫)


「もう、嫌だ!」定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、ひょんなことから離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。そこに舞い込んでくるのは、いずれも家族の情”がこじれた難題ばかり。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成し遂げられるか!?−裏表紙より−


公事宿(くじやど)というのを初めて聞きました。江戸時代にあったそうですが、今の行政書士や弁護士のような役割をしていたそうです。宿と付いていることからわかる通り、裁判の間に泊まらせることもしていたそうです。今も昔も裁判は長引くんですね。

昔は移動にも時間がかかりますし、判決が出るまで泊まる所があるのは助かるでしょう。そこが弁護士事務所だったら、と思うと便利ですよね。


絵乃の夫は、働かない、浮気を繰り返す、借金は作ってくる、という最悪な男。さっさと別れたら良いのに。と思ってしまいますが、そういう男って口がうまいんですよね。だからいちいち腹を立てながらも浮気を赦し、健気に働いて支えてしまう。

心のどこかでは「このままではいけない」と思っていてもどうにもならない状況。そんな時、町で偶然、公事宿の手代・椋郎と出会います。そして公事宿に連れて行かれて話を聞いてもらっているうちに、女将に見込まれて、宿で手代見習いをすることになります。

他の夫婦の問題を目の当たりにしながら、自分たち夫婦のことを解決させようという考えのようです。

離縁するには、きっちりと自分の気持ちにキリをつけないと別れられませんから、女将さんはそれを絵乃にわからせようとしていました。


絵乃は無事に離縁して前に進むことが出来るのか?


絵乃の成長も読んでいて楽しいですし、手代・椋郎との仲も気になりますし、他の登場人物たちの個性的キャラクターも面白いですし、次々読み進められました。

シリーズ化してくれるかな?という期待が膨らんでしまう作品です。いくらでも話は作れそう? 楽しみに待つことにします。


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2023年08月01日

7月のまとめ

てらこや青義堂 師匠、走る (小学館文庫 Jい 3-1)てらこや青義堂 師匠、走る (小学館文庫)
もっと軽い話かと思ったら重いし深い話でした。子どもたちは生意気ですけど可愛くて健気で、奥さんは最高のキャラクターで面白かったです。こんな良い人たちに囲まれて何を悩むことがあるんだ、しっかりしろ!と言いたくなります。シリーズ化してくれたら嬉しいのですが、どうだろう?
読了日:07月07日 著者:今村 翔吾


逆ソクラテス (集英社文庫)逆ソクラテス (集英社文庫)
子どもの世界って狭いけど盛りだくさんで面白いです。小さいながらも色々なことを考えていて、大人の発言に疑問を持って成長している姿は読んでいて爽快な気分になれました。良い先生に出会うことは子どもにとってとても素敵なこと。羨ましくもなりました。
読了日:07月13日 著者:伊坂 幸太郎


湯治場のぶたぶた (光文社文庫 や 24-31)湯治場のぶたぶた (光文社文庫)
今回は湯治場で働くぶたぶたさんでした。カウンセラーとしても、料理人としても働く、パワフルなぶたぶたさん。存在するだけで癒しなのに、話も聞いてくれて、食事も作ってくれて、最高です。心に刺さる話ばかりでした。
読了日:07月18日 著者:矢崎存美


発達障害&グレーゾーンの子どもを「急かさず」「怒らず」成長を引き出す言葉かけ: 〈シリーズ 子育てのうしろだて〉発達障害&グレーゾーンの子どもを「急かさず」「怒らず」成長を引き出す言葉かけ: 〈シリーズ 子育てのうしろだて〉
子どもに携わる職業に就く者として読んで勉強になりました。声掛けをしても伝わらない子どもに対しての声の掛け方はこれから参考にしたいと思います。
読了日:07月21日 著者:浜田悦子


校閲ガール (角川文庫)校閲ガール (角川文庫)
悦子の話し方は気になりましたが、意外と真面目に校閲の仕事をしているのは好感がもてました。ファッションに疎い私的には分からない用語もたくさん出てきましたし、説明されてもどんな服装なのかわからないことが多かったですが、ここまで夢中になれるのは羨ましいです。かっこいい校閲担当としてこれから大きくなっていくのを見届けたいと思います。
読了日:07月22日 著者:宮木 あや子


恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―【電子書籍限定書き下ろしSS付き】恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―【電子書籍限定書き下ろしSS付き】
表紙の絵と題名が怪しくて自分ではきっと手を出さないであろう作品。でもお気に入り登録させてもらっている方が読まれて気に入っておられたので読んでみました。うん、確かに面白い。恋愛的要素も濃いですが、それ以外の部分も多くて私にも読みやすかったです。ファンタジー好きならきっとはまると思います。今後もどうなっていくのか楽しみです。
しかし、題名、何とかならないかな??言いたいことはわかるけど・・・
読了日:07月27日 著者:永野水貴



全部で6冊。簡単な本も入れてなので、いつも通りののんびり読書です。

特に印象に残ったのは「てらこや青義堂」です。

posted by DONA at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ