2023年06月30日

今野敏「任侠シネマ」

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 今野敏 著
 「任侠シネマ」
 (中公文庫)


「誠司、映画は好きか?」阿岐本組は、組長の器量と人望で生き残ってきた、昔ながらのヤクザ。そんな組長・阿岐本雄蔵の元に次々と持ちかけられる一風変わった相談に、代貸の日村誠司はいつも振り回されていた。今度は潰れかけている映画館を救え!?厳しい業界事情もさることながら、存続を願う「ファンの会」へ嫌がらせをしている輩の存在が浮上し・・・。大好評「任侠」シリーズ第五弾!−裏表紙より−


今回の立て直し案件は、映画館。映画館か〜、確かに長い間行っていないな、としみじみ。最後に見たのは何だろう? もしかして「アナ雪2」かもしれません。だとすると、2019年ですから約4年前です。自分でもびっくりするほど前ですね。

そういえば、コロナ感染拡大してからは行っていないです。マスクをしながら映画を見た記憶がありません。 本当は映画館で見るのも好きなんですが、なかなか見たい映画がなくて。そろそろ行きたいものです。

恋愛系、ホラー系は絶対に見ませんし、邦画もあまり好きではありません。邦画だとアニメかな?それ以外は好きな役者さんが出ていないと見ません。そうなると見たい映画がない。困ったものです。


阿岐本組に立て直ししてほしいと持ち込まれた映画館に、組長と共に映画を見に行った日村。映画館で映画を見た覚えがないという珍しい人ですが、映画館で見ることが気に入ったようです。ヤクザさんらしく任侠映画で、すっかり映画の世界にはまり込んだようです。

これまで立て直しといえば、基本的な掃除をして常にお客に気持ち良く過ごしてもらうことを徹底してきた組長ですが、今回は事情が違いました。映画館自体には何の問題もなかったのです。心地よく過ごせますし、建物自体も問題がない。

ということは、なぜこの映画館をつぶそうとしているのか? なぜ立て直しの依頼がきたのか? 様々な疑問がわいてきます。

組長がどんな方法で立て直したのか? というか、立て直しとは違いますが、どうやって問題を解決したのか?は読んでのお楽しみ。

日村の気苦労は組長に振り回されることよりも、警察との問題の方が多かったようです。阿岐本組のように、抗争とは無縁の団体だったら良いのですが、抗争が多い団体がいるせいで、生き辛くなっています。良い人ばかりなんですけどね〜。こればかりは仕方ないのかもしれません。

それにしても、彼らの収入源は何だろう?変なことが気になってしまいました。

次はどの業界に手を出すのかな?今から楽しみです。


<とせいシリーズ>
「とせい」
「任侠学園」
「任侠病院」
「任侠浴場」


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2023年06月29日

池波正太郎 他「池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳」

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 池波正太郎 他著
 「池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳」
 (文春文庫)※電子書籍


「鬼平」復活!逢坂剛は「平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる若き平蔵の苦悩を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は「耳袋秘帖」鬼平版。門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫る。本家も自選短編で特別参加。−出版社HPより−


大好きな「鬼平犯科帳」の鬼平こと長谷川平蔵が蘇える!? これは読まずにいられないでしょう! ということで読みました。


参加されているのは、逢坂剛、諸田玲子、土橋章宏、上田秀人、門井慶喜、風野真知雄、梶よう子の7名。見覚えのある名前ばかりですよね。

それぞれの作風にあった鬼平が描かれていたのでしょう。読んだことがない方もおられるので不明ですが。

これを「鬼平」だと思わずに読むと、面白かったと思います。池波正太郎の鬼平のファンだとちょっと辛い気持ちにはなりました。


特に面白かったのは土橋章宏「隠し味」 これはちょっと鬼平に近い雰囲気ではありました。盗賊ではありますが、きちんと反省した者は助けるという鬼平らしい温情の所が良かったです。

門井慶喜「浅草今戸橋」 私が大好きな鬼平シリーズの同心・木村忠吾が主役となっていて、こういう話も面白かったです。久しぶりに忠吾に会えた気がして嬉しかったです。

風野真知雄「石灯籠」 本家でもこういう話あったな、と思いながら読んでいたら、昔話として出てきました。懐かしい気持ちになれました。


初めて読んだ作家さんもおられましたが、全て読みやすくて面白く読み切りました。ただ、これが「鬼平」か?と言われるとそれは違うな〜と。

最後に本家の鬼平が収録されていたので、余計にその思いは強くなりました。でも、最後に池波正太郎さんの短編が読めたのが本当にうれしかったです。また改めて読みたくなるくらいでした。


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2023年06月05日

買った本

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 ポール・ギャリコ 著
  亀山龍樹 訳
 「ミセス・ハリス、パリへ行く」
 (角川文庫)※電子書籍


思っていた内容とは違いましたし、読みにくい部分も多かったですが、面白くはありました。


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 原田ひ香 著
 「人生オークション」
 (講談社文庫)※電子書籍


表題作は面白かったかも。もう一作はすでに忘れつつある・・・


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 今野敏 著
 「任侠シネマ」
 (中公文庫)


大好きなシリーズです。今回も面白かった!


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 池波正太郎 他著
 「池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳」
 (文春文庫)※電子書籍


鬼平・・なのか??って感じ。でも面白い作品もありました。

2023年06月01日

5月のまとめ

池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳 (文春文庫)池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳 (文春文庫)
蘇る、という感じではなく、新たな鬼平が登場した感じです。池波正太郎の鬼平を読み込んでいる私には違和感がいっぱい。何作かは読みやすかったですけど、ほとんどは鬼平と思わずに読んだ方が読みやすかったです。
読了日:05月01日 著者:池波 正太郎,逢坂 剛,上田 秀人,梶 よう子,風野 真知雄,門井 慶喜,土橋 章宏,諸田 玲子


任侠シネマ (中公文庫)任侠シネマ (中公文庫)
このシリーズも面白い!今回は少し展開が違っていて、それはそれで面白かったです。映画館の立て直しですが、映画館自体には手を入れず、周りを変えていく。それはそれで難しいですけど、映画館には無くなってもらいたくないな。でも私も何年も映画館に行っていない。見たい映画もない。また見たい映画が出来たら行こう!と思いました。
読了日:05月10日 著者:今野敏


人生オークション (講談社文庫)人生オークション (講談社文庫)
1話目(表題作)は面白かった。必死で欲しかったものを少しずつオークションで手放していくのですが、一度成功したら次々手放していく気持ちは理解できます。あの頃は必死で集めたのに今は要らないという物いっぱいありますしね。物を手放すことで人生もスッキリしてくるのもわかります。2話目はあまり理解できず。女性の気持ちも男性の気持ちも。やっぱりこういう恋愛系って苦手だな。
読了日:05月15日 著者:原田 ひ香


ミセス・ハリス、パリへ行く (角川文庫)ミセス・ハリス、パリへ行く (角川文庫)
勝手にミステリだと思っていたので、いつ事件が起こるのかばかり気になっていました。で、気付けば終わっていた感じ。おばさんの口調が好きでは無かったですが、訳者のあとがきを読んでいると訳者の文章がそういう感じなのかな?と。内容は面白かったです。わくわくする所もありました。
読了日:05月19日 著者:ポール・ギャリコ


今宵も喫茶ドードーのキッチンで。 (双葉文庫)今宵も喫茶ドードーのキッチンで。 (双葉文庫)
初めましての作家さんだったからか、読みにくい文章の所がありました。全体的に面白かったのですが、あまり印象には残らないかもしれません。疲れた時に読むと癒されそうです。コロナにあまり影響を受けていないからか、サラリと読み終わった感じです。
読了日:05月24日 著者:標野 凪


わかれ縁 狸穴屋お始末日記 (文春文庫 さ 77-1)わかれ縁 狸穴屋お始末日記 (文春文庫)
離婚調停って昔からあったんですね。昔は女性が一方的に離縁されて終了かと思っていました。女性の方から別れたいときは逃げるしかないのかと。少しは救済措置があったなら良かった。しかし、絵乃の旦那はひどいな・・こんな人でも当人は離れられないものなんですね。痛々しいけど何とか別れられて良かったです。シリーズ化されるかな?続きも読みたいです。
読了日:05月29日 著者:西條 奈加



全部で6冊。読みやすい作品が多かったおかげで少し多めに読めました。

印象に残ったのは、「任侠シネマ」「わかれ縁」です。

posted by DONA at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ