
バリー・ライガ 著
満園真木 訳
「さよなら、シリアルキラー」
(創元推理文庫)※電子書籍
ジャズは高校三年生。町ではちょっとした有名人だ。ある日、指を切りとられた女性の死体が発見され、ジャズは連続殺人だと保安官に訴える。なぜジャズには確信があったのか―彼が連続殺人犯の息子で、父から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだ。親友を大切にし恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自ら犯人を捕えようとする。全米で評判の青春ミステリ。―出版社HPより―
初めましての作家さんです。
題名からして明るい内容なわけがないのですが、それにしても暗い・・。そして、残虐なシーンもたくさん。「青春ミステリ」というには暴力的すぎました。
主人公のジャズは、シリアルキラーだった父親に育てられました。この父親、息子に対してシリアルキラーであることを隠していたわけではなく、正体を明かした上に、殺し方や死体の処分の仕方、更には被害者の女性から「記念品」をどうやって取るかなど、細かく何でも教えていました。
そんな環境で育った割には真っすぐ育っている方だとは思いますが、自分の中にも恐ろしい父親の血が流れていることで、同じような殺人鬼になるのではないか?と日々恐れています。
父親は刑務所にいるため、その母親である祖母と共に暮らしているのですが、少し認知も始まっていると思われる彼女もまた暴力的で、決して良い環境とはいえません。彼女はまだジャズに対しては暴力を振るわないだけマシですが。
ジャズには親友と恋人がいて、彼らの存在はものすごく助けになっています。彼らがいなければジャズはとっくに壊れていたでしょう。また、父親を逮捕してから何かと気にかけてくれる警察官の存在もあり、良い支えになってくれているのが救いかもしれません。
連続殺人が起きたことで、ジャズが活躍して解決に導くのですが、なかなか危なっかしくて読んでいてハラハラする場面がたくさん。
しかも、この作品だけでは解決しない・・・・まあ中でさんざん父親のことを引っ張っておいて、このまま終わるわけないとは思っていましたが。
シリーズ化されているようで、すでに数冊発売されています。私はもう続きは読まないかな? ジャズを始め、登場人物が誰も好きになれなかったので読むのが辛いです。
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