2023年01月17日

乃南アサ「チーム・オベリベリ 下」

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 乃南アサ 著
 「チーム・オベリベリ 下」
 (講談社文庫)


依然としてオベリベリでの生活は苦しい。初めての豊作を喜ぶのもつかの間、借金を返済するために上納分を取られる。入植した家は当初の十三軒から六軒に減っていた。「晩成社」幹部チーム三人の間に不協和音が流れる。美しく神々しい北の大地で、それでもカネはたくましく生きる。史実を基に描いた感動長編。−裏表紙より−


「女性が好きそう」とか「男らしい」とかそういう言い方は好きでは無いのですが、この小説を読んでいると、ことあるごとに「これだから男の人は」と言いたくなりました。


男性3人で決意をして未開の地・北海道を目指したはずなのに、数年では何ともならないとわかっているはずなのに、とにかくお酒に逃げて、愚痴って妻に当たって、読んでいてイライラすることが多々ありました。

ものすごく大変なことをしていることはわかるのですが、夢を抱き過ぎて現実に直面すると挫折してしまう感じがイライラします。

しかも、男の人たちは、農作業をして家に帰ればのんびりお酒を飲んで騒げますが、女性は結局、農作業をした上に、子育ても家事もあり、お酒を飲んで騒ぐ男性たちの世話さえしなければなりません。


今の便利な生活をしていてもやることはたくさんありますが、未開の地では電気もガスも無いですし、近くに買い物する所も無いわけで、料理を作るだけでも大変、洗濯はもちろん、着替えも買えませんから自分で着るものを作らないといけません。本当にやることがたくさんで常に忙しそうです。

カネは大人しく夫に従っていますが、それでも時々は愚痴も出てしまいますし、夫に文句を言うことも。そんな時に少しでも優しくしてくれたらいいのに、手を上げる始末。よくついて行っていることです。

夫は時々、北海道でも拓けている所に行くこともありますが、カネはずっと不便なオベリベリから出られない状態。私には絶対に出来ないですし、本当に尊敬します。


開拓したら、男性ばかりの名が残っていくのでしょうが、支えてがんばってきた女性たちのことも思って感謝していきたいものです。

彼らのような冒険者がいたお陰で、今は「北海道に美味しい物を食べに行きた〜い!」なんてのんきな感じで旅行に行けるわけですから、ありがたいことです。

読みながらイライラしつつ、でもお陰なんだよね、と言い聞かせていました。


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posted by DONA at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:乃南アサ