
近藤史恵 著
「ほおずき地獄 猿若町捕物帳2」
(光文社文庫)
吉原に幽霊が出るという噂がたった。幽霊が出た後には必ず縮緬細工のほおずきが落ちているという。騒動のさなか、幽霊が目撃された茶屋の主人と女将が殺された。下手人は幽霊なのか。女性が苦手な二枚目同心”玉島千蔭は「じゃじゃうま娘」との縁談話に悩む傍ら、事件の解決に乗り出すが・・。『巴之丞鹿の子』に続く「猿若町捕物帳」シリーズ第二弾。−裏表紙より−
前作のことはすっかり忘れていましたが、何とか読めました。読み進めると、そうそう二枚目だったな、とかお父さんが面白かったな、とか思い出してきました。
今回も舞台は吉原。よくドラマや映画で取り上げられる場所ですが、華やかなイメージと裏腹に悲しい雰囲気もある場所です。そんな吉原で幽霊騒ぎが持ち上がります。
特に何をするわけでもない幽霊なのですが、気味悪がって客足が遠のくので困っているということもあり、千蔭が捜査に乗り出します。
1作目の感想でも書いていましたが、ページ数が少なくあっさり読み終わるのは同じ。しかも事件の解決までが早い。容疑者もほとんどなく終わってしまいます。
ただ、今回は幽霊の正体が悲しすぎでした。あまりにもひどい仕打ちに涙が出ました。殺された女将よりも、甘い言葉で寄って来た奴の存在が最悪です。罪が深すぎ!
あまり書き過ぎるとネタバレになるのでこれ以上言えませんが、殺される相手が違う気がしました。
重苦しい雰囲気のまま終わるのかと思っていたら、最後に笑える出来事があり、そこはホッとしました。
こうなると、千蔭の結婚はまだまだ先になりそうです。どうなるやら・・。
まだシリーズは何冊かありますが、なかなか手に入らないのが難点。再版してくれないかな??
<猿若町捕物帳シリーズ>
「巴之丞鹿の子」
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