2022年09月16日

乃南アサ「六月の雪」

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 乃南アサ 著
 「六月の雪」
 (文春文庫)


三十二歳独身、声優になる夢に破れた未來は、入院した祖母を元気づけるため祖母の故郷、台湾・台南市を訪れる。ひと癖もふた癖もある台湾の人たちに助けられながら祖母の生家を捜す旅の中で、未來は台湾の人々が生きてきた過酷な時代の傷跡を知る。そして旅路の果てに、自らの人生に下した大きな決断とは?−裏表紙より−


台湾好きな作家さんらしい作品でした。台湾に関するエッセイを読んで興味をもったのですが、これはまた一段と重かった・・・。

32歳にして、声優の道を挫折した未來。確かに若い子に比べたら仕事の幅も狭くなるでしょうし、難しいのかもしれませんが、アスリートと違ってまだ頑張れるような気もします。でも本人はもう無理だと諦めてしまい、目標を失って日々何となく過ごしている状態でした。

そんな時、同居していた祖母が実は台湾で生まれ育ったと知り驚きます。その祖母が入院してしまったのをきっかけに、未來は台湾に行って祖母の生まれ育った家を捜して写真に収めることにしました。

台湾の言葉がしゃべれるわけでもない未來は父親の知り合いだという女性に案内を頼み単身台湾へ。祖母の記憶もあいまいで、ほんのわずかしかない地名などを頼りに旅をすることになりました。

台湾では父親の知り合いの女性だけではなく、その知人3名とも知り合い、彼らに助けられながら色々な場所を見て回ります。どうやらこの辺りで祖母が生まれたのではないか?という場所では、ある台湾の女性と出会い、何日かかけて長い長い彼女の人生を聞くことになりました。

戦中戦後の日本でもきっと同じようなことはあったのでしょうが、彼女の語る言葉をしっかり頭に入れてかみ砕こうとしたら自分が辛くなりそうで、出来るだけ斜め読みするようにしました。

戦争は国のトップの人が起こすことではありますが、結局被害を受けるのは国民。どんな大義名分を掲げても、勝っても負けても辛いのは国民です。なぜ戦争なんてするんだろう?そればかり考えてしまいました。


台湾は特に被害が大きく、色んな国に支配されたのでその度に言葉や文化まで変えないといけなくて大変な思いをしています。よく日本が好きでいてくれたと感謝しかありません。

物語という形態をとってはいますが、台湾の旅行記のような内容で、台湾の歴史を知ることが出来る作品でした。

台湾のことをあまり知らない方、ぜひ読んでもらいたいです。


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posted by DONA at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:乃南アサ