
今野敏 著
「機捜235」
(光文社文庫)
渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸。公務中に負傷した同僚にかわり、高丸の相棒として新たに着任したのは、白髪頭で風采のあがらない定年間際の男・縞長だった。しょぼくれた相棒に心の中で意気消沈する高丸だが、実は、そんな縞長が以前にいた部署は捜査共助課見当たり捜査班、独特の能力と実力を求められる専門家集団だった・・・。−裏表紙より−
また新しいシリーズに手を出してしまった・・・。しかも面白かったから追わないといけない!
たくさんのシリーズを読んでいる作家さんですが、同じ警察小説でもそれぞれ雰囲気が違っていて混乱せずに読めるのがすごいです。
「安積班シリーズ」「隠蔽捜査」「樋口顕シリーズ」「トカゲシリーズ」「STシリーズ」などなど、警察小説だけでもまだあったと思います。これでも控えめにしているつもりなんですけど、また増えてしまいました。
こちらの作品は、題名の通り機動捜査隊の話です。機動捜査隊といえば、現場に一番に駆けつけて初動捜査を行う部署。現場を見て保存し、近所の聞き込みを行って、捜査一課などの専門部署がやって来たら報告して終了。
交番のおまわりさんとの違いがよくわかりませんが、受け持ちの範囲が広くて、些細な事件とか揉め事には出動しない感じが違うと認識しています。
そんな機動捜査隊に所属する高丸が主人公となり話は進んでいきます。年齢の近い相棒とずっと行動してきたのですが、相棒がけがをしたため、別の人と組むことになります。やって来たのは定年間際の縞長という男。
機動捜査隊は犯人と遭遇することも多いため、体力のある若手が担当することがほとんど。それなのに中年男性がやって来たので驚きます。まだまだ手柄を上げて出世したいと思っている高丸にとって面倒な相手です。
いざ一緒に巡回に出ると意外な才能をもっていることが判明します。縞長が以前いたのが捜査共助課見当たり捜査班という部署だったのです。その部署は、指名手配を受けているたくさんの容疑者の写真や年齢などを頭にインプットしておき、いつでも見たら気づくように訓練されています。
警察車両を流している間に何人かの指名手配犯に気づく縞長。それを聞いて半信半疑ながら声を掛けて逮捕する高丸。始めは2人の間に壁がありましたが、お互いに能力を認め合い、最後の方には良い関係が出来上がっていました。
今までの警察小説とはまた違うタイプの小説で、これはまた今後が楽しみになりました。
長く続くシリーズになってもらいたいものです。追いかけるのが大変ですけど・・。
↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

