
今村翔吾 著
「鬼煙管 羽州ぼろ鳶組」
(祥伝社)※電子書籍
「人も同じ、身分は違えども煙草(たばこ)の銘柄ほどのもの」煙管(きせる)の吸い口を見つめ、平蔵(へいぞう)は人の儚(はかな)き生を思い、正義と悪との境(さかい)を憂(うれ)えていた――。京都西町奉行長谷川(はせがわ)平蔵は、火を用いた奇(き)っ怪(かい)な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消、松永源吾(まつながげんご)を京に呼ぶ。源吾は平蔵の息子・銕三郎(てつさぶろう)と真相に迫るが、やがて銕三郎が暴走し――。勇壮な男たちが京の街を駆け抜ける!−出版社HPより−
今回の話は京が舞台です。今と違って江戸(東京)から京(京都)に行くのは簡単ではありません。何日もかかってしまうというのに、それでも江戸から松永を呼び寄せようというのですから、いかに平蔵の信頼が厚いかってことです。
今回も当然、松永を始め火消の人たちは大活躍、そしてとてもかっこよかったですが、今回一番驚いたのは、今まで読んでいた長谷川平蔵が、私のよく知っている「鬼平」とは違っていたことです。
まさかその父親だったなんて!
今回、事件を引っ掻き回すようなことになった平蔵の息子が、実は「鬼平」だったようです。えー!?って叫びそうになりました。勘違いするほどこの親子は人情に厚くカッコいいってことなんですけど。
昔は親子で同じ名前を名乗ることが多かったから大変です。
いつもは松永や、他の火消のカッコいいセリフに泣かされそうになるのですが、今回は長谷川平蔵に全てもっていかれた感じがしました。電車の中で読んだのでこらえましたが、家で読んでいたら号泣していたと思います。
こんなところで、こんな目に合うとは・・・
武士らしくかっこよかったですけど、悔しくてたまりませんでした。
息子が立派に継いでくれるわけですからまだ救われますけど。
そして、今回ほとんど登場しなかった奥様ですが、松永の落ち込むタイミングで的確な手紙を送ってきて、その内容は励ましつつ愚痴りつつ、本当に素敵でした。手紙だけでも私の心を鷲掴みしてくれました。
次はどんな活躍をみせてくれるか楽しみです。
<羽州ぼろ鳶組シリーズ>
「火喰鳥」
「夜哭鳥」
「九紋龍」
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです。

