2022年07月25日

買った本

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 矢崎存美 著
 「ぶたぶたのお引っ越し」
 (光文社文庫)


予想と違う内容でしたが面白かったです。


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 今村翔吾 著
 「鬼煙管 羽州ぼろ鳶組」
 (祥伝社)※電子書籍


大好きなシリーズ。泣かずにはいられない話でした。


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 今野敏 著
 「機捜235」
 (光文社文庫)


やはり読みやすいと思う作家さん。また新たなシリーズに手を出してしまった・・。

2022年07月22日

西條奈加「隠居すごろく」

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 西條奈加 著
 「隠居すごろく」
 (角川文庫)


巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。主人の徳兵衛は、三十三年間の仕事一筋の生活に終止符を打ち、還暦を機に隠居することにした。人生がすごろくならこれは上がりだ。だが、孫の千代太が住処にきて静かな生活は一変。犬や猫を拾っては連れてくる孫に「そのやさしさを人のために使ってみてはどうだ」と諭した徳兵衛は、千代太の仲間に囲まれ、賑やかな日々を送ることになる。第二の人生の上りはいったいどこに?心揺さぶる時代小説。−裏表紙より−


33年間も仕事一筋、質素倹約に努めて来た徳兵衛は、ある日突然、奉公人たちを前に「隠居する」と宣言します。六代続く糸問屋を大きく育て上げ、商いも軌道に乗せての隠居、本来ならみんなから祝福されそうな所ですが、日ごろから口やかましかっただけにあっさりと送り出されます。

みんなに言い出す前から隠居を決めていた徳兵衛は、店からも近く、でも田舎ある空き家を見つけて来ていました。そこに手を入れて住むことにしたわけですが・・。


徳兵衛がどんな人物なのかは言葉の端々からしかわからない状態からの隠居宣言。でもきっと退屈するぞ〜と心配していたらやはり数日で飽きて来た様子。色々やることを見つけていたはずなのに、ことごとく性に合わないことが発覚。

私も無趣味な人間ですから、仕事を辞めたら退屈するだろうと思っているので、徳兵衛のことを笑っていられません。


暇だし店の様子を見に行こうかな?でもすぐに退屈していると思われるのはプライドが許さないということで、悶々と日々を過ごしていました。そこへやって来たのは孫の千代太。特別親しかったわけではありませんが、なぜか彼はおじいちゃんが好きで訪ねてきます。

ただあそびに来るだけなら良いのですが、来る度に猫や犬などを拾ってくるので徳兵衛は辟易します。そこで「そのやさしさを人のために使ってみては」と余計な助言をしてしまいます。

これはまずいことになりそう・・と思ったらやっぱり。今度は動物ではなく言われた通り、子どもを連れてきました。明らかにちゃんとした暮らしをしていないであろう姿をしたその兄妹を見て焦る徳兵衛。そこからどんどん千代太が持ち込む騒動に巻き込まれていきます。

度々、孫に助言をする徳兵衛ですが、その助言をまっすぐに受け止めすぎる孫は、思わぬ問題ばかり持ち込んできます。今まで商いのことで手一杯だった徳兵衛が初めて人助けのために動きます。

そこはやはり大店を仕切ってきただけあって、見事な采配で孫のため、他人のために行動を起こし、うまく問題を処理していきます。その様子は読んでいて爽快な気分になれますよ。


これは面白いシリーズが出来たな、と思っていたら最後に残念な出来事が。シリーズにはならないようです。それだけが残念でたまりません。もっと色んな騒動が起きて、精力的に活躍する徳兵衛の姿が見たかったです。

なんとかして続けられないかな。


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2022年07月20日

秋川滝美「幸腹な百貨店」

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 秋川滝美 著
 「幸腹な百貨店」
 (講談社文庫)


中部事業部長となった高橋伝治は、以前店長をしていた堀内百貨店が閉店の危機にあることを知る。古巣のピンチに自ら乗り込んだ伝治だが、何でも「気合い」で乗り切ってきたバブル部長を若手店員たちは煙たがる。伝治は彼らと旨いお店で腹を割りつつ、お祭り復興に取り組む地元店主たちとも知り合って・・。−裏表紙より−


先に2作目を読んでしまっていた作品です。やっと1作目が読めました。

閉店危機にある百貨店の立て直しをする話ですが、2作目もあるということはとりあえず乗り越えていますね。

こういう話で、立て直せずに終了、というのはなかなかないでしょうけど。


どうやって立て直していくか?に知恵を絞る様子が描かれていますが、それだけではなく、中間管理職となった元店長・伝治が「最近の若いもんは」と愚痴をこぼす様子も描かれていて、同じような立場にある人はかなり共感できると思います。

私自身、ある程度の年齢になっていますから、若い人たちと働くこともあり、頭が痛いこともよくあります。

なるべく「自分の若い頃はこんなじゃなかった」とか「もっと出来ていた」とは思わないようにしていますが、それでも「さすがにこんなに出来ないことはなかった」とかつい思ってしまうので、愚痴りたい気持ちはよくわかります。

伝治も職場に行っては、若い人たちの動きに呆れていました。

直接注意すれば良いのでしょうが、きっと若い人は注意されるのを嫌うだろうと思って、スルーすることになり、それがまたイライラするわけです。ほんと、人に注意するのって難しいですよね。

伝治と若い人の関りを読んでいると、一緒になって悩んでしまうくらいでした。


でも、この話では若い人も意外とやるね〜!となりますし、立て直しもとりあえずはクリア出来て、ハッピーエンドになるので読んでいてスッキリ出来ます。

現実ではそう簡単にはいかないでしょうけど。


百貨店の存在意義が昔ほど無くなってきている感じがします。実際に潰れていく店もあることですし。どうやって生き残っていくのか、難しい問題ですが、まだシリーズは続いているようなので、彼らの知恵や工夫を楽しみに読み進めていきたいです。


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タグ:秋川滝美
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2022年07月06日

近藤史恵「歌舞伎座の怪紳士」

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 近藤史恵 著
 「歌舞伎座の怪紳士」
 (徳間文庫)


職場でハラスメントを受け退職した岩居久澄は、心に鬱屈を抱えながら家事手伝いとして日々を過ごしていた。そんな彼女に観劇代行のアルバイトが舞い込む。祖母に感想を伝えるだけで五千円くれるという。歌舞伎、オペラ、演劇。初めて体験に戸惑いながらも、徐々に芝居の世界に魅了され、心が晴れていく久澄だったが―。私が行く芝居に必ず「親切な老紳士」がいるのは、なぜだろう?
−裏表紙より−


連作短編のように1話ずつ完結していきますが、1話毎に題名はありません。第一章、第二章という感じで進んでいきます。


仕事場の雰囲気に馴染めず退職することになった久澄は、実家の家事をして仕事をしている母親を支えていました。そんな自分の状況に悩んでいる時、普段はあまり仲が良いとは言えない祖母からアルバイトの話がきます。

祖母の代わりにお芝居を見に行って感想を伝えてほしいという物でした。顔が広い祖母は知人から「見に来て欲しい」とチケットを渡されることが多いが全部を見に行くことは出来ないということで、久澄に代わりに行って感想を言ってもらえれば助かると言うのです。

お芝居など見に行くことが無かった久澄ですが、とりあえずもらったチケットを持って観劇に。初めて渡されたのは歌舞伎のチケットでした。歌舞伎はお芝居の中でも敷居が高いものですが、アルバイトなので行ってみることにしました。

パンフレットも購入するように言われていたので買って読むと話の内容は何となくわかりましたが、細かい設定などは理解できず。それでも生で目の前で繰り広げられるお芝居の素晴らしさに魅了された久澄。

その時偶然隣りに座った素敵な紳士と少し会話をし、色々教えてもらっていたところ、ちょっとした揉め事に巻き込まれてしまいます。こうなると、その素敵な紳士が華麗に解決して久澄が好きになるパターンか!?と思いますけど、そうはならず。どちらかというと久澄が一人で解決します。紳士は口添えをするのみ。

ということは、話はどう展開していくのか気になってきます。

生のお芝居にはまった久澄は祖母からのアルバイト以外にも自分でチケットを買って観劇するようになっていきます。でも行く所行く所にその紳士は現れます。

なんて謎めいた存在!

紳士の様子が明らかになってくると久澄とはかなり年齢差があることがわかってくるので、恋愛話にはならなそうです。でも最後は・・。


なるほどそういう存在の人でしたか! と納得ですし、この終わり方も素敵でした。


コロナ禍でなかなか気軽に観劇しにくいですけど、長い間見に行っていないのでそろそろ行きたいと思うようになりました。そしていつかは行ってみたいのが歌舞伎。チケット高そう、話わかるかな?と久澄と同じ悩みがありましたが、これを読んだら解決したので、行きたいと思います。近くで公演があれば良いのですが・・。


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2022年07月01日

6月のまとめ

もう今年も半分過ぎたんですね。今年こそコロナが落ち着いてくれたら良いですけど・・・
猛暑も辛い。

鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)
長谷川平蔵に乞われて京に行くことになった源吾たち。奥さんの出番が少なかったのは残念ですが、手紙だけでもものすごい存在感を放つのはさすがです。人ってこんなに簡単に鬼になれるんだと思わされてゾッとしました。今回も熱くてカッコいい男たちの話でしたが、長谷川平蔵に全て持って行かれた感じはします。涙涙の場面でした。
読了日:06月08日 著者:今村翔吾


チョウセンアサガオの咲く夏 (角川書店単行本)チョウセンアサガオの咲く夏 (角川書店単行本)
長編もいいですけど、短編も面白いです。ゾッとする話もあれば、ほっこりする物もあり、楽しめました。表題作と「初孫」はなかなか・・・。身内だけに怖っ!
読了日:06月12日 著者:柚月裕子


ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 IV シンデレラはどこに (角川文庫)ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 IV シンデレラはどこに (角川文庫)
初めて読んだ作家さんですが、面白かったですし読みやすかったです。シンデレラの原点がどの話なのか、そんなこと考えたことも無かったですが、確かにありがちな設定ではあるので色んな国に似た話があるのがなるほどと思えました。難しい部分もありましたが楽しめました。
読了日:06月17日 著者:松岡 圭祐


清明 (新潮文庫)清明 (新潮文庫)
大森署の職員たちに会えなくなるのはとても寂しいですが、新天地でも問題山積で改革が必要そうで楽しみです。何よりも奥様の冴子さんが竜崎を叱咤激励しつつ結局頼りにしていて素敵でした。こんな夫婦いいな。自分は冴子さんのようにはなれませんけど。
読了日:06月22日 著者:今野 敏


あんの信じるもの お勝手のあん (時代小説文庫)あんの信じるもの お勝手のあん (時代小説文庫)
おやすは良い店で働いているんだと改めて嬉しくなる巻でした。政さんの動向や、新しい仲間のとめ吉の行く末など気になることはありますが、おやすが自分らしく生きていけることを願うばかりです。続きも楽しみ!
読了日:06月30日 著者:柴田 よしき



全部で5冊。うち2冊は献本ですでに感想は書いています。

特に印象に残ったのは「鬼煙管」「清明」「あんの信じるもの」です。

posted by DONA at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ