
柚月裕子 著
「チョウセンアサガオの咲く夏」
(角川書店)
柚月裕子の13年がつまった短編集
美しい花には毒がある
献身的に母の介護を続ける娘の楽しみとは……。
柚月裕子は短編も面白い
「佐方貞人」シリーズ、「孤狼の血」シリーズ、『盤上の向日葵』『慈雨』など数々のベストセラー作品を世に送り出してきた著者。ミステリー、ホラー、サスペンス、時代、ユーモアなど、デビュー以来の短編をまとめた、初のオムニバス短編集。「佐方貞人」シリーズスピンオフ「ヒーロー」収録。柚月裕子の13年がつまった短編集。−出版社HPより−
お気に入りの作家さんの作品集です。読みたいに決まっているので「本が好き」で献本申し込みしました。
「チョウセンアサガオの咲く夏」「泣き虫の鈴」 「サクラ・サクラ」「お薬増やしておきますね」「初孫」「原稿取り」「愛しのルナ」「泣く猫」「影にそう」「黙れおそ松」「ヒーロー」 が収録されています。
短編は何度か読んだことがありますが、オムニバス形式は初めてです。色んなジャンルの作品を書かれる方だとわかりました。
どれも面白かったですが、合うか合わないかはありますね。
表題作がやはり一番印象に残りました。でもとても短い話でびっくりしました。短いのに内容はギュッと詰まっていて、始めは親の介護をして大変な毎日を送る女性の話としてしんみりと読んでいたのですが、少しずつ方向が変わっていき、最後には「え〜!?」となりました。なかなかブラックな話です。
「初孫」これもブラックでした。なかなか子どもが出来ない夫婦の話で、こちらも応援するような気持ちで読み進めていたら最後にど〜ん!とオチが。まあそういうこともあるでしょうけど・・・いやいや、それはダメでしょう!な内容でした。
どちらも身内の話だけに怖さが倍増です。
「お薬増やしておきますね」「愛しのルナ」もブラックというかゾッとしました。オチが怖いのが多かったです。
「泣く猫」は短い話なのにほろりとさせられましたし、「ヒーロー」も感動的でした。
「ヒーロー」は佐方シリーズのスピンオフ作品で、シリーズのファンにはたまらない内容です。本人に自覚なく良い言葉をさらりと言ってくれる佐方にまた惚れ直しました。
目をそむけたくなるような話もありますが、この作家さんの新たな面が見られた気がして、読んで良かったです。
佐方シリーズだけではなく他の作品も読んでみようと思えました。
まだ読んだことが無い方にも、作家さんのことを知るきっかけとしてお勧めです。
↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。


タグ:柚月裕子