
椹野道流 著
「最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ」
(角川文庫)
芦屋の定食屋「ばんめし屋」。節分の恵方巻きを振る舞う店員の海里と店長の夏神のもとを、作家の淡海が訪れた。彼は海里が小説のモデルであると発表し、騒ぎになったことを謝罪。そして罪滅ぼしのように、海里にオーディションを提案する。それは小さな店で行われる、往年の人気女優との朗読舞台。一方夏神は、昔懐かしい料理を復活させ、看板メニューにすべく動き始めるが、厄介な幽霊が現れ・・・。心震えるお料理青春小説第12弾。ポークチャップのレシピつき!−裏表紙より−
前作で騒ぎを起こしてしまった淡海先生が「ばんめし屋」に謝罪に来ました。かなり迷惑を被ったのですから許さなくても良いと思うのですが、さすが人格者たちはあっさりと許してしまいます。まあそうならないと話は進まないわけですが。
自分の小説が映像化される時に海里を使うことは諦めてくれたようですが、その代わりに彼にとあるオーディションを受けるように勧めます。
小さな店で行われている朗読劇のオーディション。朗読はしたことがない海里ですが、何でもやりたい気持ちがあるので、とりあえず受けに行くことに。
朗読劇といえば、小説なんかを読んでお客さんに聞かせるだけかと思ったら、なかなか奥が深そうです。
お芝居の経験があっても難しいようで、海里は苦戦することに。でも一緒に朗読劇をやる女優さんとその夫、更に店のオーナーとも知り合いになり、彼らは今後も海里に刺激をくれそうですし、助けてもくれるでしょう。良い出会いになりそうです。
ばんめし屋には、今回もこの世の者ではない者が現れます。霊的な物とはちょっと違いましたけど、夏神さんはなかなかの難題を突き付けられます。
この難題を乗り越えることで、夏神の悩みも少しクリアになったようです。
もちろん、眼鏡のロイドも元気に周りをかき回していますし、彼の発言で気付かされることも多いです。
海里がばんめし屋を離れる日は遠からずやってきそうですが、着実に一歩ずつ進んでくれそうで、安心して見ていられます。みんなが望む道を歩んでくれそうで、今後も楽しみです。
<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」
「海の花火とかき氷」
「聖なる夜のロールキャベツ」
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