
三川みり 著
「仙文閣の稀書目録(1)」
(角川文庫)
巨大書庫・仙文閣。そこに干渉した王朝は程なく滅びるという伝説の場所。帝国・春の少女、文杏は、1冊の本をそこに届けるべく必死だった。危険思想の持主として粛清された恩師が遺した、唯一の書物。けれど仙文閣の典書(司書)だという黒髪碧眼の青年・徐麗考に、蔵書になったとしても、本が永遠に残るわけではないと言われ、心配のあまり仙文閣に住み込むことに・・。命がけで本を護る少女と天才司書青年の新感覚中華ファンタジー!−裏表紙より−
初めましての作家さんです。
中華ファンタジーです。いつも思うんですけど、なぜ中華にする必要があるんでしょう?? 日本の名前が着いていたらファンタジー感が薄れるからでしょうか? 日本の名前が付いていてもファンタジーにはなれますけどね・・。まあそれはともかく。
身寄りのない少女・文杏は、育ての親でもある恩師が危険思想を持つものとして処刑されてしまい、その知らせを受けて呆然としている間に彼の遺した書物が焼かれそうになっていることを知り、それだけは守らなければと持って逃げだします。
突然の別れに悲しむ暇もなく、せめて彼の遺した言葉たちだけでも守らなければならないと思い詰めた文杏は、納められた書物はどんな物でも守られるという巨大書庫・仙文閣の存在を思い出し、そこに持って行くことを決めます。
どこにあるのか正確な場所は知らないという文杏。道中にも何度か狙われそうになることもあり、これは書庫に辿り着くまでの大冒険がメインになるんだろうと思っていたら意外とあっさり到着してしまいます。
書庫に着いた後からの方が色んなことが起こってきます。
仙文閣の司書・麗考に出会い、書庫に収められても永遠に残るわけではないと知らされたことで、大事な書物をそこに収めても良いのか悩んでしまった文杏。そんな彼女に、しばらくここに留まって決めたら良いと言ってくれたので、麗考と共に寝泊りして仕事を手伝うことになりました。
彼が時々見せる謎の行動や、同僚たちの働きぶりなどを見ながら過ごしながらも迷い続けることになります。
普段なら本にそこまでの思い入れをするのは理解できないのですが、今回は恩師の遺産ですし、世の中に一冊しかない物ですから、命がけで守ろうとする気持ちは理解できる気がしました。でも命の方が大事でしょ?とは思いますけど。
黒幕が誰か?は私でも予想出来ましたからその辺りはまあそうだよね、という感じですが、それ以外の部分は楽しめました。
何よりこの仙文閣という場所が魅力的でしたし、そこで働く人たちの姿も素敵でした。
シリーズになるのであれば(題名に番号があるということはなるでしょう)、文杏の成長ぶりが見たいと思います。また仙文閣の雰囲気につかりたいです。
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