
高田郁 著
「あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇」
(ハルキ文庫)
浅草田原町に「五鈴屋江戸本店」を開いて十年。藍染め浴衣地でその名を江戸中に知られる五鈴屋ではあるが、再び呉服も扱えるようになりたい、というのが主従の願いであった。仲間の協力を得て道筋が見えてきたものの、決して容易くはない。因縁の相手、幕府、そして思いがけない現象。しかし、帆を上げて大海を目指す、という固い決心のもと、幸と奉公人、そして仲間たちは、知恵を絞って様々な困難を乗り越えて行く。源流から始まった商いの流れに乗り、いよいよ出帆の刻を迎えるシリーズ第十二弾!!−裏表紙より−
いよいよ呉服が扱えるようになる!?とわくわくしながら読み始めましたが、やはりそう簡単にはいきません。
今もそうでしょうけど、昔は商売をするのが大変でした。お上からの許可が無いと扱えない商品がありますし、値段設定もありますし、仲間との兼ね合いやライバルの仲間との競合もあります。
袖の下を渡すのも暗黙のルールになっていますし。でも五鈴屋を始め仲間たいtもそこまで裕福なわけではないので、その工面にも苦労させられます。額面通り支払うべきなのか、何か方法は無いか?をさぐる幸。
そういう時に頼りになるのは元旦那さん。彼とのやりとり、そして仲間たちの協力でやっと後半になって呉服の商売が始まります。
呉服を扱うことになったら、今まで来てくれていた客の足が遠のくのではないか?という不安や、また新たな問題も出てきました。
商売をするというのは、自分の代で終わって良いというのではなく、代々伝えていくものでもあって、後継者の話もチラチラと出てきています。幸が望んでいる人が継いでくれると良いのですが。
そして、呉服を扱っても今までの客も来てくれて、更に新しい客も掴むという難問にどう立ち向かうのか?も楽しみですし、最後に出てきた問題もどうなっていくのか楽しみです。
妹・結の店との直接対決にもなりそうで、どうやって打ち負かすのか、爽快な結末が見たいと思います。
<あきない世傳金と銀>
「源流篇」
「早瀬篇」
「奔流篇」
「貫流篇」
「転流篇」
「本流篇」
「碧流篇」
「瀑布篇」
「淵泉篇」
「合流篇」
「風待ち篇」
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