
シャンナ・スウェンドソン 著
今泉敦子 訳
「魔法使いの失われた週末」
(創元推理文庫)
(株)マジック・スペル&イリュージョンは、ニューヨークの魔法界で魔術を開発販売する会社。CEOはなんと伝説の大魔法使いマーリンだ。シャイで赤面症の研究開発部理論魔術課の責任者オーウェンと養母、素直に愛情を表現できない二人の心の交流を描いた表題作ほか、本国でも未発表な特別な短編一編を含む全四編を収録。日本オリジナル編集で贈る、大ヒットシリーズ初の短編集。−裏表紙より−
「スペリング・テスト」「街を真っ赤に」「犯罪の魔法」「魔法使いの失われた週末」の4編収録されています。
4話のうち3話は本国で電子書籍などで発表されていたようですが、表題作のみ日本オリジナルだそうです。日本で短編集を出すに当たり、ページ数が少ないので何とか1話書いて欲しいとお願いしたら書いてくれたとか。なんて嬉しいことでしょう!ファンとしてはありがたいことです。
表題作は何で未発表なのか不思議なくらい良いお話でしたよ。残り3話はまだケイティが魔法界に携わる前の話なのですが、この表題作だけは1作目の続きというか途中というかの話で、ファンとしては懐かしい気持ちになりましたし、これを読んだらまた1作目から読み返したくなります。
オーウェンと養母の話で、2人のお互いを想っているのにそれをうまく見せることが出来ない関係性がもどかしくも暖かい気持ちになれる内容です。ファンはぜひ読むべき話です。
「スペリング・テスト」は、オーウェンとロッドの学生時代の話です。昔から野心家だったロッドと、人にあまり関心がないオーウェン、2人とも昔からこんな感じだったんだとニヤニヤしてしまいました。ちょっとハラハラする内容ではありますが、すっきり出来る結末です。
「街を真っ赤に」はガーゴイル・サムの活躍が描かれています。彼らの任務にスポットが当たり、元々彼らのファンだった私にはたまらない話でした。
「犯罪の魔法」では、オーウェンとケイティの出会いが描かれています。本編はケイティ目線で描かれているので、オーウェンがどういう気持ちでケイティと出会ったのかはこれを読まないとわかりません。出会うべくして出会った2人なんだと改めて知ることが出来て、ファンとしては笑いが止まらない話です。これも読んだら1作目に戻りたくなります!
シリーズが終わってもう彼らに会えないのかと寂しくなっていたところに新たな短編集。嬉しくてたまりません。ほぼ一気読み状態でした。またいつかこんな風に新作を出してもらえたら嬉しいです。
それまでの間はまた1作目からちょっとずつ読み返そうかな?と画策中。
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