2022年02月16日

デボラ・インストール「ロボット・イン・ザ・ガーデン」

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 デボラ・インストール 著
  松原葉子 訳
 「ロボット・イン・ザ・ガーデン」
 (小学館文庫)


AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に就くアンドロイドが日々モデルチェンジする近未来のイギリス南部の村。弁護士として活躍する妻エイミーとは対照的に、親から譲り受けた家で漫然と過ごす三四歳のベン。そんな夫に妻は苛立ち夫婦は崩壊寸前。ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけた旧型ロボットのタングを発見。他のアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、作り主を探そうと、アメリカへ。中年ダメ男とぽんこつ男の子ロボットの珍道中が始まった・・。タングの愛らしさに世界中が虜になった、抱きしめたいほどかわいくて切ない物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。どうやら舞台化するようですね。


人工知能を搭載したロボットが当たり前のように仕事をしているような未来の話です。家事もしてもらえるので、一家に一台、もしくは二台三台と用途に合わせて持っている家庭もあるくらいでした。

ベンは仕事をするわけでもなく、親の遺産でぼんやりと日々暮らしていました。これが独身ならそれで良いのでしょうけど、結婚しているんですよね。しかもキャリアウーマン。せめて家事をやってくれていたら文句も無かったのでしょうが、ただぼんやり過ごされると腹が立つのは当然です。

そんな夫婦が住む家の庭にある日ボロボロの旧型ロボットが座っていました。妻・エイミーは何とか家から追い出そうとしますが、ベンは妙に興味をもって家に入れてしまいます。

元々離婚危機だった夫婦ですから、これをきっかけにしてエイミーは家を出てしまいます。彼女の気持ちはよくわかります。でもその後の展開は共感できませんでしたけど。



ロボットがどうして家にいたのか、どこから来たのか色々話しかけてみますが、ロボットは答えてくれません。やっと言ったのが「タング」という言葉。

ベンはロボットの名前が「タング」なのだろうと検討を付け、名前を呼びながら話しかけていきます。そして、タングの身体についている部品が壊れかけていることに気づいたベンは、直してくれる人を探しに出かけることにしました。

タングを作ったであろう会社へ行くために、アメリカへ。そこからタングと共に困難を乗り越えながら、長い長い旅を始めることに。

色んな人に出会い、色んなロボットにも出会い、色んな危険を潜り抜けて、タングと共に帰ってくるわけですが、経験をしたおかげでベンは大きく成長jしていました。

と、そこまでは大体予想通りの展開です。でも旅が終わってからの展開が気に入らなかったんですよね・・。まあ幸せにはなるのかもしれませんが。


始めの頃はタングのこともベンのことも好きになれなかったのですが、徐々にタングのことがかわいくなり、子どもを見るような感覚で読めました。後半は楽しく読めたので良かったです。

シリーズ化していて何冊か出ているようなので、手に入ったら読んでみたいです。


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