2022年02月28日

「警官の道」

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 アンソロジー
 「警官の道」
 (角川書店)


警官で生きるとは? 豪華警察小説アンソロジー
「組織で生きる者の矜恃」
オール書き下ろし新作
次世代ミステリー作家たちの警察小説アンソロジー
「孤狼の血」スピンオフ、「刑事犬養」シリーズ新作収録
収録作
葉真中顕 「上級国民」 刑事事件化されなかった交通事故に隠された真実
中山七里 「許されざる者」 東京オリンピックの裏で起きた悲劇
呉勝浩 「Vに捧げる行進」 街で頻出する落書き犯の驚愕の意図
深町秋生 「クローゼット」 バディを組む上野署の刑事が抱える秘密
下村敦史 「見えない刃」 性犯罪の捜査に乗り出した女刑事が見たもの
長浦京 「シスター・レイ」 半グレたちのトラブルに巻き込まれた謎の女
柚月裕子 「聖」 ヤクザに憧れ事務所に出入りする少年が目指すもの。
−出版社HPより−


大好きな警察小説のアンソロジー。読みたいに決まっているので「本が好き」で献本申し込みしました。


上級国民」って数年前によく聞いた言葉です。あの痛ましい事故の・・・。この話でも事故を起こした人物が上級国民だからという描かれ方をしています。それを逆手にとって利用した人たちはある意味頭が良いのでしょうけど、そんなことに使わずもっと世の中に活かしてほしい気がします。

許されざる者」も去年のオリンピックの少し前によく聞いた話がモチーフになっています。オリンピックに関わる人が実は学生時代にいじめっ子だったという報道がされて降板する事態になりましたね。確かにいじめられた側からするといつまでも忘れられませんし、心の大きな傷となって残る物で、いじめた側があっさり忘れて普通に人生を歩んでいると腹が立つのはわかります。

Vに捧げる行進」もタイムリーな内容でした。コロナ禍の今起こっていることで、ずっと背筋がぞわっとするような不気味な雰囲気を漂わせた話で、結末もあまりスッキリ出来ず。まさに今の世の中を表す内容でした。

クローゼット」もある意味最近よく聞かれる問題かもしれません。LGBTの話です。他人の嗜好なんて気にしなければ良いのに、どうしても癪に障るというか、イライラする人っているんですね。だから隠さないといけなくなるんですが。言葉遣いなど気になる所が多くて、ちょっと読みにくい気がしました。

見えない刃」は性犯罪の捜査をする刑事たちの話です。被害者がなかなか名乗り出にくい犯罪ですから、泣き寝入りも多いのが現状で、捜査するのも難しいです。そういう事件の担当になった女性刑事。でも彼女の言動は男性刑事よりも的を射ていない感じがあってイライラする部分も。最終的には考えを改めて、良い方向へ向かいそうなので良かったですけど。

シスター・レイ」は他の作品とちょっと毛色が違う雰囲気でした。アクションものって感じです。始まり方はよくある日常の話かな?という感じでしたが、気付けば激しいアクションが始まっていました。主人公が謎の女なので違う視点で話が進んだ方が面白かったかもしれないと思います。

」も警察物というにはちょっと違う感じです。ヤクザに憧れている青年がどうやって生きていくのか?という話ですが、ヤクザに憧れているその理由も何だか的外れな感じで、納得出来ません。だからこそ最後にうまく軌道修正できそうになったのはホッとしました。


警察小説といっても色んなタイプの話があってそれぞれ楽しめました。あまりまっとうな警察官が出てこなかった気はしますけど、出てくる警察官たちは自分のポリシーを持って仕事をしているのはわかりました。それが正しいかどうかは微妙ですけど。

どれも短編だったので、もっとページ数を使って長い話として読みたかったものもありました。シリーズになっている作品もあるので、一度読んでみたいと思います。


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2022年02月21日

ジョアン・フルーク「チョコレートクリーム・パイは知っている」

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 ジョアン・フルーク 著
  上条ひろみ 訳
 「チョコレートクリーム・パイは知っている」
 (mirabooks)※電子書籍


ハンナは傷つき悲しみに暮れていた。愛するロスの裏切りが発覚したのだ。家族や友人たちに支えられながらなんとか立ち直ろうとしていたその矢先、行方不明だったロスが突然現れ、ハンナを愛している、もう一度やり直すために銀行に預けてあるお金を引き出してきてくれと告げる。彼の身勝手さに怒りを覚えるも、人が変わったようなようすにハンナは戸惑う。そんななか、信じられない事件が起きて・・・。−出版社HPより−


22作目。かなり文句タラタラなシリーズなのですがなぜか気になるし、読み始めると一気読み状態なんですよね。自分でも不思議です。

年に一回なので前作のことをほぼ忘れてしまっている状態で読むことになる新作。でも今回はさすがにロスの秘密については覚えていました。

ものすごい犯罪者なのかと思ったら意外と普通の裏切りなんだねって感じだったので、読者としては「まあそういうこともあるんじゃない?」くらいのあっさりした気分ではあります。

っていうか、ハンナはロスとかなり長い付き合いのはずですから、彼がどんな人なのかわかっていそうな気がするのにあっさり騙されるんだ・・。

そして突然ロスのことを大っ嫌いになるハンナに対しても不信感。確かに裏切られてはいますけど、そんなに拒否するかな?前作のハンナの言動を思い起こすと今回のように冷たくなれるものかな?と疑問です。

毎回ハンナは性格が変わる気がします。今回はイライラ系。

それよりも、ロスの人格の変化にびっくりです。ここまで変わるならもっと早くハンナは片鱗を見そうなものなのに気づかなかったんだね?

色々引っかかってしまいます。


今回も末の妹・ミシェルの性格の良さと、気の付きようが最高で、ノーマンの献身ぶりにも惹かれます。つまり、ハンナは見る目がないってことで。

だんだん、自分の店の経営は投げやりな感じになっていますし、どうするつもりなんだろう?と心配になります。いや、心配はしていませんけど。こういう風に何となく人生うまく行く人っていますよね。ハンナもそういう人なんでしょう。

最後のオチには驚きましたけど、まあそういうこともあるでしょうね、まあこの問題も周りの人の支えでうまく解決させて幸せになるんでしょう。

何だか本当にどうでもよくなっていますが、きっとまた来年発売されたら読むと思います。


<お菓子探偵ハンナシリーズ>
「チョコチップクッキーは見ていた」
「ストロベリーショートケーキが泣いている」
「ブルーベリー-マフィンは復讐する」
「レモンメレンゲ・パイが隠している」
「ファッジ・カップケーキは怒っている」
「シュガークッキーが凍えている」
「ピーチ・コブラーは嘘をつく」
「チェリー・チーズケーキが演じている」
「キーライム・パイはため息をつく」
「キャロットケーキがだましている」
「シュークリームは覗いている」
「プラムプディングが慌てている」
「アップルターンオーバーは忘れない」
「デビルズ・フードケーキが真似している」
「シナモンロールは追跡する」
「レッドベルベット・カップケーキが怯えている」
「ブラックベリー・パイは潜んでいる」
「ダブルファッジ・ブラウニーが震えている」
「ウェディングケーキが待っている」
「バナナクリーム・パイが覚えていた」
「ラズベリー・デニッシュはざわめく」


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2022年02月17日

買った本

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 中島久枝 著
 「湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ 三日月の巻」
 (ポプラ社文庫)
※電子書籍

何となく読んでいるシリーズ。まだ2作目ですが。


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 ジョアン・フルーク 著
  上条ひろみ 訳
 「チョコレートクリーム・パイは知っている」
 (mirrabooks)
※電子書籍

どうしてはまってしまうのかわからないシリーズ。今回も一気読みでした。


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 近藤史恵 著
 「ガーデン」
 (創元推理文庫)


こういうタイプの話はあまり好きではないですけど、文章が読みやすいです。

2022年02月16日

デボラ・インストール「ロボット・イン・ザ・ガーデン」

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 デボラ・インストール 著
  松原葉子 訳
 「ロボット・イン・ザ・ガーデン」
 (小学館文庫)


AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に就くアンドロイドが日々モデルチェンジする近未来のイギリス南部の村。弁護士として活躍する妻エイミーとは対照的に、親から譲り受けた家で漫然と過ごす三四歳のベン。そんな夫に妻は苛立ち夫婦は崩壊寸前。ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけた旧型ロボットのタングを発見。他のアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、作り主を探そうと、アメリカへ。中年ダメ男とぽんこつ男の子ロボットの珍道中が始まった・・。タングの愛らしさに世界中が虜になった、抱きしめたいほどかわいくて切ない物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。どうやら舞台化するようですね。


人工知能を搭載したロボットが当たり前のように仕事をしているような未来の話です。家事もしてもらえるので、一家に一台、もしくは二台三台と用途に合わせて持っている家庭もあるくらいでした。

ベンは仕事をするわけでもなく、親の遺産でぼんやりと日々暮らしていました。これが独身ならそれで良いのでしょうけど、結婚しているんですよね。しかもキャリアウーマン。せめて家事をやってくれていたら文句も無かったのでしょうが、ただぼんやり過ごされると腹が立つのは当然です。

そんな夫婦が住む家の庭にある日ボロボロの旧型ロボットが座っていました。妻・エイミーは何とか家から追い出そうとしますが、ベンは妙に興味をもって家に入れてしまいます。

元々離婚危機だった夫婦ですから、これをきっかけにしてエイミーは家を出てしまいます。彼女の気持ちはよくわかります。でもその後の展開は共感できませんでしたけど。



ロボットがどうして家にいたのか、どこから来たのか色々話しかけてみますが、ロボットは答えてくれません。やっと言ったのが「タング」という言葉。

ベンはロボットの名前が「タング」なのだろうと検討を付け、名前を呼びながら話しかけていきます。そして、タングの身体についている部品が壊れかけていることに気づいたベンは、直してくれる人を探しに出かけることにしました。

タングを作ったであろう会社へ行くために、アメリカへ。そこからタングと共に困難を乗り越えながら、長い長い旅を始めることに。

色んな人に出会い、色んなロボットにも出会い、色んな危険を潜り抜けて、タングと共に帰ってくるわけですが、経験をしたおかげでベンは大きく成長jしていました。

と、そこまでは大体予想通りの展開です。でも旅が終わってからの展開が気に入らなかったんですよね・・。まあ幸せにはなるのかもしれませんが。


始めの頃はタングのこともベンのことも好きになれなかったのですが、徐々にタングのことがかわいくなり、子どもを見るような感覚で読めました。後半は楽しく読めたので良かったです。

シリーズ化していて何冊か出ているようなので、手に入ったら読んでみたいです。


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2022年02月15日

今野敏「キンモクセイ」

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 今野敏 著
 「キンモクセイ」
 (朝日文庫)


法務官僚殺害の容疑者として、アメリカ人の殺し屋の可能性が浮上。警察庁警備局警備企画課のキャリア・隼瀬順平へ、専任チームでの対処を上司から命じられるが・・。「キンモクセイ」とは何か?誰が味方で敵なのか?警察インテリジェンス小説の傑作。−裏表紙より−


インテリジェンスか〜。確かに小難しい内容でした。なので、細かい所は理解出来ていたか疑問ではありますが、エンタメ性もあったので最後まで飽きずに読めました。

アメリカ人の殺し屋なんてものが出てくる時点で、これはスピード感のある小説だろうと予想できますね。そんな予想をしていたら、意外と殺し屋に狙われるようなことはありませんからちょっと肩透かし状態になります。

でも、誰が味方で誰が敵なのか、どうしてこんな展開になってしまうのか、など疑問が次々と出てきて、主人公と一緒に逃げ回っているような気持ちになりました。

謎の言葉「キンモクセイ」も気になりますし。


読み終わってみたら、何でそんなことで殺し屋なんかが出て来るのか理解できませんし、そこまで重要な秘密なのか?と思ってしまいました。

国家機密というにはあまりにもお粗末というか、そんなこと国民は何となく起きるんじゃないかと感じているし、今更殺人を犯してまで隠すことだろうか?と思います。

実行するとなったら確かに国民には知られたくないでしょうが、まだまだ計画の始めの段階で、もしバレてもいくらでも言い訳が出来そうなのに、事を大きくしてどうする?という感じでした。

そう思うのは、私の理解力が低いせいかもしれませんが。


ものすごく盛り上げた割には、最終的にあっさり終わってしまった感じもあり、そこも残念でした。必死で逃げ回っていたのは何だったんだ?

最後にもう一度どんでん返しが欲しかったです。


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posted by DONA at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:今野敏

2022年02月10日

柴田よしき「あんの夢 お勝手のあん」

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 柴田よしき 著
 「あんの夢 お勝手のあん」
 (ハルキ文庫)


安政の大地震から一年も経たず、颶風の高波に品川の街は呑みこまれてしまった。品川宿の宿屋「紅屋」も、かろうじて建ってはいたが、一階はすべて水に浸かり、二階は強風で屋根も壁も壊れて使い物にならなかった・・・。紅屋は建て替えのため二ヶ月の休業が決まり、その間、やすは政さんに親戚であるおくまさんから紹介された深川の煮売屋へ、年内いっぱい料理修行にでることに―。大好評「お勝手のあん」シリーズ、待望の第五弾!−裏表紙より−


前作でどうなることか?と心配になった災害ですが、紅屋はきちんと対策をしていたので食料などは無事に確保できていました。お陰で比較的早く再開できたのですが、さすがに以前のようにお客をたくさん泊めるほどは回復できず、日々の暮らしに困っている人たちを泊めて休憩させてあげる形でした。

あまり新鮮な食料も調達できないので、蓄えている物をいかに美味しく食べてもらうかという工夫が必要でした。そんな工夫もおやすにとってはいい勉強になっています。

壊れた二階を修理するため、しばらく休業することになった紅屋ですが、他の奉公人はのんびり休養したり田舎に帰ったりしていましたが、おやすは勉強をするため、煮売り屋へ住み込みで働きにいくことに。


紅屋も良い人ばかりですが、煮売り屋の女主人もとても良い人で、さっぱりと言いたいことを言いますが、気持ちはこもっていて、美味しい料理が食べられると評判になっていました。

煮売り屋というのは、今でいうところのお惣菜屋さんでしょうか。それを店で売るのではなく、売り子が売り歩いています。石焼き芋のお惣菜バージョンみたいなものですね。

お客さんは独身男性や、子どもをたくさん抱えている主婦。あまり裕福とはいえない庶民がターゲットなので、安価で温め直さなくても美味しく食べられて、おかずの一品にもなって、酒のつまみにも出来るような惣菜を作らないといけません。

しかも、女性ひとりで作っているので、手軽に短時間で仕上げられる物でないといけません。色々な制約がある上に、当然美味しくないと買ってくれませんから、どんな惣菜を作るかを考えるのは、おやすにとってもいい勉強になりました。


前回に引き続き、お小夜さんが作れる料理も新たに考えないといけませんし、立ち止まる暇がないおやす。試練があればあるほど、強くたくましくなっていくおやすですから、今回も大きく成長出来ました。

そして、ほんのほんのわずかですが、何となく恋の雰囲気も??

おやすには幸せになってもらいたいので、ぜひ良い人に巡り会って、それをまた料理に生かしてもらいたいです。

続きも楽しみです。


<お勝手のあんシリーズ>
「お勝手のあん」
「あんの青春〜春を待つころ〜」
「あんの青春〜若葉の季〜」
「あんのまごころ」


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2022年02月07日

伊坂幸太郎「フーガはユーガ」

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 伊坂幸太郎 著
 「フーガはユーガ」
 (実業之日本社文庫)


常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの、誕生日にだけ起きる不思議な現象、「アレ」のこと――。ふたりは大切な人々と出会い、特別な能力を武器に、邪悪な存在に立ち向かおうとするが……。−裏表紙より−


この作家さんの描く人物は淡々と飄々としていることが多く、今回の主人公・ユーガもそんな感じでした。淡々と自分の人生を語っていきます。

どんな展開になっていくのか、読み進める毎に変化していくので結末が気になりました。

SFっぽい展開になるのか?と思えば、意外と重々しくて、ミステリっぽい要素も出てきて、これはジャンル分けが難しい作品です。


この話の内容を語る上で必要な現象があるのですが、あらすじには「アレ」としか書かれていません。

そうなると、ネタバレせずに感想を書いていくのは本当に難しくなります。


双子に起こる不思議な現象といえば、何となく想像するのは片方が怪我をしたら、もう一人も同じ所が痛くなるとか、打ち合わせしなかったのに同じ色の服を着ていたとか、片方の悲しみが伝わって急に涙が出るとか・・。

でも私の平凡な頭で思いつくようなことならわざわざ「アレ」なんて言わなくても良いのでもちろん違います。もっとSFっぽい現象です。実際にはないでしょうね。・・・わかりませんが。


彼らの壮絶な人生を語っていくわけですが、顔をしかめるような記述も多くて読むのが辛い所もたくさんありました。でも双子で良かったのかもしれないと思います。お互い支え合えますから。

結末は悲しかったですが、ある意味明るい未来も見えるような、何とも複雑な感情のまま読み終わりました。もっと幸せな終わり方をしても良かったとは思います。


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posted by DONA at 15:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:伊坂幸太郎

2022年02月02日

横山秀夫「ノースライト」

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 横山秀夫 著
 「ノースライト」
 (新潮文庫)


北からの光線が射しこむ信濃追分のY邸。建築士・青瀬稔の最高傑作である。通じぬ電話に不審を抱き、この邸宅を訪れた青瀬は衝撃を受けた。引き渡し以降、ただの一度も住まれた形跡がないのだ。消息を絶った施主吉野の痕跡を追ううちに、日本を愛したドイツ人建築家ブルーノ・タウトの存在が浮かび上がってくる。ぶつかりあう魂。ふたつの悲劇。過去からの呼び声。横山秀夫作品史上、最も美しい謎。−裏表紙より−


久しぶりの横山秀夫作品です。

警察小説以外では「クライマーズ・ハイ」「陰踏み」に続いて3作目です。

やはり、警察小説が良いですね。でもこれも面白かったです。ちょっとマニアック過ぎる部分があって理解出来ていないところもありましたけど。


建築士・青瀬は、依頼人からの「自分が好きなように建てて欲しい」という要望に応えて、今までで最高傑作とおも言える家を建てました。業界からも評価されたその家は、その後、他の人からも「同じような家を建ててほしい」と言われるくらいの物件になりました。

中も見てみたいと言われた青瀬は、住人に連絡を取ろうとするが、電話が全く通じず不審に思い、家まで行くと、どうやら一度も住んでいない様子でした。

しかも誰かに荒らされていて、鍵も壊れていました。中には窓から外を眺めるように置かれた一脚の椅子。

住人はどこに行ったのか、住まない家をなぜ青瀬に建ててくれと依頼したのか、置かれた椅子の意味は?と様々な疑問にいきあたり、とにかく住人の行方を探し始めます。


建築士が、一度引き渡した家を見に行くことはあるのか疑問ですが、思い入れのある家だけにそういうこともあるのかもしれません。家主の思惑が気になり、後半はほぼ一気読みでした。

青瀬の人生だったり、他の仕事の話だったりはあまり興味がわかなかったのですが、大掛かりな仕掛けというか思いに最後まで納得いかない部分もありました。

残された椅子についても色々と探り始めますが、その辺りの記述は理解できているか自分でも疑問です。とはいえ、そんな魅力的な椅子だったら一度は座って見たい気もします。


家主と青瀬の因縁?やそこまでして家を建てる意味なんかは共感出来ませんでしたが、青瀬が設計した家が見てみたいと強く思いました。題名から予想できるように、北からの光を取り入れるという家。土地の傾斜などをうまく利用した家のようですが、北からの光を入れようなんてよく実行できたなと感動しました。

暗くないんだろうか?寒くないんだろうか?など色んな疑問がわきます。

でもきっと柔らかい光が入り込む素敵な家なんだろうと思うと、見てみたいものです。


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posted by DONA at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:横山秀夫

2022年02月01日

1月のまとめ

キンモクセイ (朝日文庫)キンモクセイ (朝日文庫)
終始、本当にこんなことが起こっていたら怖いなと思いながら読みました。詳しい部分が理解できていたかは疑問ですが、こんなことで人を殺すことが出来る人がいることは単純に恐ろしいです。終わり方がちょっとあっさりし過ぎな気はしました。
読了日:01月12日 著者:今野 敏


ロボット・イン・ザ・ガーデン ロボット・イン・ザ・シリーズロボット・イン・ザ・ガーデン ロボット・イン・ザ・シリーズ
ベンの性格がちょっと苦手で、その言動にイライラするエイミーの気持ちがよくわかりましたが、少しずつタングと共に成長していく姿は感動しました。何よりもタングが子どものようで可愛かったです。最後はうまくいきすぎな気はしますが、良い終わり方だったと思います。
読了日:01月22日 著者:デボラ・インストール


チョコレートクリーム・パイが知っている (mirabooks)チョコレートクリーム・パイが知っている (mirabooks)
どうなっても良いわ!ハンナは意味わからん!とか文句ばかり言っているくせに相変わらずの一気読み。そして予想通りの人が殺され、予想通りの展開。でも最後は驚きでした。また複雑になっていくな・・まあどうなっても良いけど。
読了日:01月26日 著者:ジョアン フルーク


湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ 三日月の巻 (ポプラ文庫)湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ 三日月の巻 (ポプラ文庫)
2作目。結構内容を忘れていましたが大丈夫でした。相変わらず何が秘密なのかよくわからないお宿ですが、従業員たちの一生懸命にもてなそうとする姿は読んでいて気持ち良かったです。
読了日:01月31日 著者:中島久枝,山本祥子


全部で4冊。相変わらずの少なさです。

2日くらいで読めた本が2冊もあったのになぜ・・・。

posted by DONA at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ