
乃南アサ 著
「美麗島紀行」
(新潮文庫)
美しき、麗しの宝島、台湾。数奇な運命を辿ったこの島に魅了された作家が、丹念に各地を歩き、人々と語り合い、ともに食べ、その素顔を描き出す。日本人の親友の妹と結婚した考古学者、日本統治下時代を「懐かしくて悔しくて」と語る古老、零戦乗りを祀る人々。そうした彼らの面影には私たちが見失った私たち自身の顔も浮かび上がるのだった――。歴史と人に寄り添った、珠玉の紀行エッセイ。−裏表紙より−
エッセイとか自叙伝とか苦手なんですが、以前、この作家さんのエッセイを読んで面白かったので、今度は旅行記にチャレンジしてみました。
旅行先が台湾ということで、こちらも興味がありました。特に行きたいという想いはないのですが、台湾について知りたくて。
台湾がどこにあるかということは知っていますし、大体の大きさとか雰囲気はわかります。でもそれくらいの知識しかありません。知識と呼べないほどです。
そんなに浅い感情しかないのに、台湾の方は東日本大震災の時には真っ先に救助隊を派遣してくれましたし、多額の義援金も寄付して下さいました。親日家が多いともよく聞きます。
台湾に対して日本はどんなことをしてきたのだろう?と疑問でした。でもこの作家さんのように行って確かめよう!という行動力も強い思いもない私。ちょうど良い本に出会えました。
読み始めると、作家さんも同じ疑問を持って旅行していることがわかり、興味津々になりました。でも出てくるのは日本が台湾を占領して統治していたという話ばかり。
そうだよね、歴史というか現代社会の授業で習ったような気がしていたんだよな・・。なのにどうして親日家が多いんだろう?
色んな所に出かけて行っては台湾の歴史を学ぶ作家さん。その度に「日本に占領されて」と出てきます。なかなか答えが出てきません。
最後まで読んで何となくわかったのは、結局、日本が台湾から去った後、中国など他の国に占領された時の方がよりひどい扱いを受けたから、日本の方が良かったという感じだったのか?ということ。
もっと劇的に何か貢献したのかと思ったらそんな感じか・・とちょっとがっかり。
でもどんな理由であれ、辛い目に合わせてきた、ひどいことをしてきた私たちの国に対して、親しみを覚えてくれたり、助けようと思ってくれたりしてくれるのは本当にありがたいですし、感謝しかありません。
もう少し台湾のことを知る努力をすることは必要ですね。まずは学校の授業で現代社会をもっと詳しく教えていってほしいと思います。私は台湾の話題にもっと耳を傾けようと思います。
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