
秋川滝美 著
「幸腹な百貨店 デパ地下おにぎり騒動」
(講談社文庫)
お祭り復興と連動し、閉店危機を免れた堀内百貨店だが、「聖域」であるデパ地下も売上低迷。事業部長の高橋伝治は、人気おにぎり屋を出店させようと奮闘するが、出来たてに拘りを持つ店主は断固拒否。バブル世代の高島マーケ部長、瑠衣そして若手店員の協力を得て「迷わば進め」の伝治が繰り出す奇策で奇跡が起こる!?−裏表紙より−
初めましての作家さんです。
読み始めてしばらくしてから2作目だと気づきました・・。それくらい1作目を読んでいなくても何とか理解できる内容で良かったです。ただ、登場人物の人となりを詳しく知りたければやはり1作目から読む方がより楽しめるとは思います。
百貨店の話なのですが、閉店危機を1作目でお祭り復興というイベントと共に盛り上げて乗り越えたようです。でもその時の危機は乗り越えても、その売り上げを継続しなければ閉店危機は続くわけで。
今回はやはり売り上げが落ちてきている店をどうやって盛り上げるか?を悩み苦しむ人たちの様子が描かれています。
ただ単に百貨店だけが売り上げを伸ばせば良いというわけにはいかず、すぐ近くにある商店街も共に売り上げを伸ばさないと、客は呼べないということでどうすれば両方に客を呼んで、商品を買ってもらえるのか?を考えないといけないのでより一層大変です。
しかも一時的な売り上げではなく、長期的に売り上げを伸ばす方法となると一人のアイディアでは何ともなりません。商店街の人たちや百貨店の店員、更には百貨店を経営する会社の事業部長も色んな店を巡りながら知恵を絞ります。
自分だったら、どんな百貨店だったら買いに行くか?ということを考えながら読みました。もともと買い物が好きでは無いので、結論から言うと「どんな店でも要らない物は買わない」っていう考えしか出ず。ではどんな物が要る物だろう?と考えるとやはり食べ物かな?となるので、この話の方法はある意味、正解なのかもしれません。
高価な物を買うなら百貨店に行こうとなりますけど、高価な物を買うのは一年に一回あるかないかですから、客足と売り上げを伸ばすためには地下を盛り上げるのが大事なのかもしれません。
でも単価が安いからな・・・とか、自分が経営しているわけじゃないのに色々と考えてしまいました。
今回の方法でうまくいくか?は疑問ですけど、これをきっかけにして相乗効果が出れば良いと思います。商店街も盛り上がってほしいです。シャッター街は寂しいですから。
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