
今村翔吾 著
「九紋龍 羽州ぼろ鳶組」
(祥伝社) ※電子書籍
火事を起こし、その隙(すき)に皆殺しの押し込みを働く盗賊千羽(せんば)一家が江戸に入った。その報を受け、新庄(しんじょう)藩火消通称“ぼろ鳶(とび)”組頭・松永源吾(まつながげんご)は火付けを止めるべく奔走(ほんそう)する。だが藩主の親戚・戸沢正親(とざわまさちか)が現れ、火消の削減を宣言。一方現場では九頭の龍を躰(からだ)に刻み、町火消最強と恐れられる「に組」頭“九紋龍(くもんりゅう)”が乱入、大混乱に陥(おちい)っていた。絶対的な危機に、ぼろ鳶組の命運は!?−出版社HPより−
今回の悪者は、火付け盗賊団です。
この時代に火付けをするのは、それだけでも死罪になり、家族や親戚までもが罪に問われるくらいの大罪だというのに、火事の隙に盗みまで働くとは!なんてひどい奴ら!と憤っていたら、更にその店の奉公人を女子どもも容赦なく殺してしまうという極悪非道ぶり。
これは思いっきり憎めますし、やっつけがいのある悪者たちなので、最終的にすっきり爽快で終わってくれるだろうと読み進めていると、謎の火消が現れます。
なぜか、火事の現場で弥次馬たちを遠ざけようと暴れる火消です。野次馬たちとの乱闘があるせいで、他の火消も火事場に駆けつけることが出来ずにまたケンカになって、現場は大混乱になっていました。
火消一人が相手なら倒して行けそうなものですが、その火消は身体も大きくて力も強かったため、倒すことも出来ず毎回苦戦させられました。
また、かなり無口で親しい人もいないため、なぜそんな行動をとっているのかを聞き出すことも出来ませんでした。
本当は火付け盗賊団だけを相手にすればいいはずなのに、謎の火消が立ちふさがるせいで、思うように犯行を止められません。
なぜその火消はそんな行動をするのか?盗賊団の正体は?など早く答えが知りたくて次々と読み進めることになりました。
途中には、源吾の奥様の言動に笑わされ、残虐な犯行を少し薄めてもらいながらの読書でした。
源吾やその仲間たちはもちろんかっこいいのですが、誰よりも奥様がかっこよくて面白くて大好きになりました。最後の場面でも大活躍してくれて、今後も楽しみな存在になりました。
まだまだ続きそうなシリーズ。次々追いかけていこうと思います。
<羽州ぼろ鳶組シリーズ>
「火喰鳥」
「夜哭鳥」
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