
加納朋子 著
「我ら荒野の七重奏」
(集英社文庫)
山田陽子は一人息子の陽介を愛するワーキングマザー。トランペットに憧れ、中学では吹奏楽部に入部した陽介は、部活に勉強にと、青春の日々を送る。一方、中学生なんだし、そろそろ親の出番もないだろう―そう思っていた陽子を待ち受けていたのは「吹奏楽部親の会」での戦いの日々だった・・。部活を頑張る少年少女たちの陰で奮闘する親たちの姿を描く、笑いと涙の傑作エンターテインメント!−裏表紙より−
「七人の敵がいる」で活躍した山田陽子のお話です。読んだのは7年も前なので内容ははっきり覚えていないのですが、PTAで奮闘していたあの陽子ね?ということさえ覚えていれば読んでいて何も困らないです。
陽子の一人息子・陽介は、中学生になりました。憧れのお兄さんがやっていたトランペットに魅了され、吹奏楽部に入部。そこまではまあよくあるパターン。
中学生になったことだし、部活で何をやろうが自分で何とかするだろうと思っていたのが大きな間違いで、「親の会」なるものに入らされることに。
もちろん、働いているので参加できません、は無し。
参加しないのも無し。
参加しなければ、大会などに子どもが参加できないこともあり得るくらいのレベル。
大会の会場を押さえたり、大会に連れて行ったり、どんな曲を大会で演奏するのか、などなど、なぜか親に負担が多い多い!
私自身は、運動部だったからか、弱小部だったからか、親が何か部活動に参加するようなことはなかったと思うのですが、陽子はものすごく駆り出され、いつものように親や先生たちと戦うことになります。
ケンカを売らないつもりで行くのに、気付けばケンカを売って、そのせいで自分の負担が増える・・。前作から成長してないやん!とツッコミを入れたくなるくらいです。
でもそれが、普通の人には言えないことなので、陽子が代わりに言ってくれてスッキリするわけなんですけど。
陽子は、ぼんやりと部活動にいそしむ可愛い一人息子のために、孤軍奮闘します。
夫も役に立ちませんしね〜。
色々文句を言いつつ、盛大なため息をつきつつ、でも家事も仕事もがんばる陽子は、本当に素敵です。
こんな風に生きていけたら、スッキリするだろうな・・。本人はしんどそうですけど。
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